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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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最近、ネットスーパーに力を入れる企業が増えています。ネットスーパーとは言葉の通り、ネット上に展開しているスーパーのこと。いわゆるネット通販とは異なり、生鮮食品や飲料などの日用品を取り扱っていて、注文した品を当日もしくは翌日までに配達してくれる点が特徴です。例えば今朝の朝日新聞に、こんな記事が出ていました:

ネットスーパー拡大中 現代版「御用聞き」(asahi.com)

イトーヨーカドーは自社のネットスーパー「アイワイネット」を、2007年度中に首都圏全域の約80店に広げるなのだとか。また大手でネットスーパーを最初に手がけた西友は、「ネットスーパーだけを告知するチラシ」まで作って配布するほどの力の入れようです:

折込チラシでWEBを広告?(Polar Bear Blog)

ネットスーパーをいわゆる宅配サービスの一種と捉えると、「高齢者が利用したり、雨の日に外に出たくない人が利用するのだろう」と考えがちです。しかし各社がネットスーパーに参入し、品揃えの充実や配送料の割引といったサービス拡充を競うことで、「リアル店舗の補完」ではなく「日常的に使われるサービス」となる可能性があります。実際、リアル店舗に出向く手間(時間・体力・駐車料金などのコスト etc.)と在庫を抱える手間(冷蔵庫等の保管スペースの確保・消費電力・使わずに廃棄される生鮮品のコスト etc.)を考えれば、日用品を小口配送してくれるネットスーパーのメリットはもっと認識されて良いでしょう(現在利用していなくても、「今後利用してみたい」と考えている人は約6割という調査結果もあります)。

しかし各社のネットスーパーを見てみると、残念ながら「既存の店舗の焼きまわし」といった印象を受けます。ネットスーパーはたいてい、PRのために会員登録していなくても内部を見学することができますので、中をのぞいてみて下さい。するとたいていは、「野菜」「惣菜」「菓子」など、リアル店舗と同じグループ分けで品物が並べられていることが分かります。しかしこれは現実の店舗で成功している分類方法であって、ネットスーパーでベストな方法とは限りません。実際、リアル店舗では「入り口付近に野菜コーナーを置く」といった導線設計や、「精肉コーナーで焼肉のタレを販売する」などといったノウハウと共にこの分類方法が運用されているのですから、並べ方だけ同じにしても不十分なはずです。

現実のやり方をネットに置き換えただけでは、スーパー1.5に過ぎません。補完的な役割を超え、ネットスーパー2.0を目指すためには、ネットならではの販売方法を確立する必要があるでしょう。例えばカレーのルーを買うと、「カレーに必要な食材はお揃いですか?」というメッセージが表示されて、家族の人数を入力するとそれに見合ったジャガイモ・ニンジン・牛肉の数量を提案してくれるとか。もしくは最初からメニュー提案してしまい、「今夜はカレーにしませんか?今日はニンジンとジャガイモがお買得ですので、4人分の食材がセットで○○円、さらにセット割引で10%OFFいたします」などといったバナー+注文ボタンを表示するといった方法もあるはずです。要はこれまでリアル店舗で蓄積されてきたノウハウをいったんリセットして、その中から使えるものを拾って再構成するという姿勢が必要なのではないでしょうか。

ただし、リアル店舗も運営しながらネットスーパーも手がけるというやり方では、なかなか「古い(※間違っている、という意味ではありません)」考え方から抜け出すことは難しいのでしょう。極端な話、ネット上にしか店舗を持たないスーパーというものがあれば、そちらの方が成功する可能性が高いかもしれません(ネットスーパー事業を手がける組織を分社化する、という手もあるかもしれませんが)。個人的には、大手GMSの中で比較的センスの良いネット戦略を展開しているイオングループがどんな手を打ってくるか、早く見てみたい気がしています。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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