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「日経産業新聞モバイル」登場

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今朝の日経産業新聞に目を通された方は既にお気づきだと思いますが、同紙が本日より「日経産業新聞モバイル」というサービスをスタートさせています:

日経産業新聞モバイル

残念ながら本日オープンしたのはドコモ向けのみで、auは8日、ソフトバンクモバイルは14日から開始となっています。個人用・会社用の両方ともソフトバンクユーザーの僕は残念ながら実物を確認できていないのですが、ポイントをまとめると以下のようになります:

  • 月額2,100円(税込)で、対象となる日経産業新聞の記事全文を閲覧可能(文字データのみ、画像は配信しない)
  • 最新3日分の記事は全文閲覧可能
  • 過去記事は権利関係上提供できないものを除き、過去3ヶ月分検索・閲覧が可能。ただしサービスを長期間契約して利用していると、最大1年間まで検索が可能に
  • キーワード登録(最大5つまで)が可能。登録されたキーワードを含む記事が自動でクリッピングされるほか、同記事の見出し一覧を携帯電話のメールで配信
  • トップ画面には、最も関心のある面のニュース5本を表示させるようにカスタマイズ可能

携帯電話のサービスで月額2,100円とは強気ですが、期間限定でも紙面に載っている全記事が読めるのであれば、紙媒体で新聞を購読するのと変らないと捉えることができるかもしれません。ちなみに紙の日経産業新聞は月額3,568円ですから、それと比較すれば安くて支払いの手間が不要、しかも過去記事検索、クリッピング、アラート等々の機能も使えますよ……というのがセールストークになるのかも?

新聞と携帯電話というテーマで思い出すのが、昨年末の産経新聞による iPhone 専用アプリの公開。こちらは当日の朝刊のみが対象(翌日にデータをダウンロードすると上書きされる)ですが、広告まで含めた全紙面を、紙面そのままのレイアウトで閲覧可能、しかも無料という点がポイント。テキストベース、過去記事も一定期間検索可能、当初から2,100円という強気な有料モデルという日経産業新聞モバイルは、好対照をなす存在かもしれません。

どちらのモデルが望ましいのかは、両紙がモバイルという領域に何を求めているかによって左右されますから、一概に優劣をつけることはできません。しかしこの2つのモデルがどこまで支持を広げるか、あるいは購読料や広告収入、紙媒体の発行部数アップといった効果をどこまで出せるかといった点を見ていくことで、「新聞という存在が今後日本でどんな姿になっていくのか」を予想するカギが手に入るのではないでしょうか。またこうした競争が加速することで、より大胆なモデルが2009年に登場してくることを期待しています。

……個人的には日経産業新聞は会社で読めてしまうので、アラートだけに特化したサービスや、過去記事検索に特化したサービスなんかを切り出して提供してくれるといいのになぁ、という感じですが。お金を払う気はあっても「ここは欲しい、ここはイラナイ」という個々のニーズがユーザー毎にあるはずですから、もっと様々なメニューが登場することも期待しています。

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