トランプ"モンロー主義"のキモは原油と天然資源をキーとした排他的安全保障。高市政権はどう対処する?(改題)
今泉追記(2026/1/10):
TVメディアで「ドンロー主義」(ドナルド・トランプのモンロー主義)を使うようになったので、投稿のタイトルを改めました。
今泉追記(同日午前10時):
ここ数日のトランプ大統領の動き(ベネズエラのマドゥロ大統領捕縛、大規模な兵力の中東への移動、ベネズエラ以外への強権行使の示唆←以下参照)を見ていると、彼がこれまでにはなかった、軍事力を基点とした現状変更を是とする新しいやり方に舵を切ったことがわかります。世界が猛反発しているにも関わらずです。
この辺の文脈を整理するには、従来のマスメディア等の報道に頼らず、ChatGPTないしGeminiの最新版かつ有料版を使って、解像度の高い鳥瞰ビューを作るのが一番です。しかも、その都度最新の状況分析がほとんどコストをかけずに得られます。
こうした高い価値を有するAI活用調査の会社の現場で使える方法論は、以下のセミナーで昨年共有させていただいた所です。
AI を活用した海外市場調査と情報収集ノウハウ(2025/11/5)
〜ニッチ市場から規制・地政学リスクまでを迅速に把握する最新手法〜
【オンライン】外注コストを年間1,000万円節減できる!ChatGPT5を駆使した海外市場調査(2025/12/1)
なお、前者については、今でもオンデマンド配信(有料)にて受講が可能です。セミナー開催時に配布させていただいた60ページの「AI活用海外調査ハンドブック」もご入手いただけます。以下の投稿も参照。
大手企業40名以上が受講【終了しました】:SSKセミナー AI を活用した海外市場調査と情報収集ノウハウ 2025年11月 5日(水)10:00~11:30
また、製造業でR&Dを担当されている方に特化したセミナーでは、来る3月4日に以下を教授します。
AIを駆使しした情報収集と海外先端技術調査 7つのアングル【LIVE配信】(2026/3/4)
~R&D担当者向け~
以上、お知らせいたします。ぜひぜひ、世界トップレベルのAI活用海外情報分析術をマスターなさって下さい。(米国のこの種のAIユースケースをそれなりに注視して見ていますが、どうも小職の開発したこのユースケースが世界初のようで、まだまだノウハウは流通していません。)
AIを活用した
海外市場調査と情報収集ノウハウ
〜ニッチ市場から規制・地政学リスクまでを迅速に把握する最新手法〜
- ニッチ市場調査(インドの豆腐流通状況)
- 現地語情報収集(台湾華語によるTSMC給与水準)
- 金融市場レポート(独証取の自動車セクター値動き)
- M&A候補探索(ドイツのロボティクス企業)
- 地政学リスク(ドローン戦術の米中比較)
- EU規制把握(サイバーレジリエンス法概要)
講師:今泉 大輔(株式会社インフラコモンズ 代表)
主催:SSK 新社会システム総合研究所
ベネズエラのマドゥロ大統領捕縛を転換点として、トランプ大統領の意思決定により世界の軍事バランスが大きく変化していることは地政学の素人である私にも十分にわかります。
ちなみに、後からGoogle検索で発見した日本語の記事ですが、以下の朝日新聞・一色清氏の「モンロー主義」の歴史的経緯を踏まえた解説は出色です。中学入試のための解説記事だそうですが、わかりやすい!まだまだフレッシュです。マドゥロ大統領捕縛の背景がよくわかります。
一色清の「このニュースって何?」:アメリカがモンロー主義打ち出す モンロー主義って何?(2025/12/18)
また、トランプ政権が2025年12月上旬に公開した「国家安全保障戦略(National Security Strategy of the United States of America)」の、日本のビジネスパーソンにとってのわかりやすい背景説明は、こちらのガスエネルギー新聞の
【賢人の目】米国家安全保障戦略のポイント/国際政治アナリスト 菅原 出(2025/12/23)
がお勧めです。
こういう中で、日本の報道メディアはおおむね欧米発の報道を二次情報、三次情報として流用するのが常であり、日本の報道を当てにしていては世界の動きが掴めません。解像度が非常に低下した、すりガラス3枚重ねた部屋から世界動向の映画を見ているようなものです。できるだけ一次情報に近いものを摂取すべきです。私はこのことをシスコで世界のマーケットインテリジェンス作業を行っている中で学びました。日本の報道メディアの国際報道は二流、三流だと。
以下の投稿でAIでレバレッジされたOSINTを使ってベネズエラの最新情勢を分析したのは、日本の報道メディアの国際報道に頼らずとも、三菱商事などの総合商社や商船三井などの海運、さらに地政学上の緊急事態により大きな影響を受ける他の業種の大企業は、最も新鮮な情報源から来る情報をベースに、複雑な事象を鳥瞰する視点を持つことができる...ということを証明したかったからです。つまり、日本にいる大企業は、日本のメディアが当てにできない以上、またWall Street JournalやFinancial TimesやNew York Timesなどの記事をピンポイントで読んでも「鳥瞰の視点」は絶対に得られないことから、AIをフルに活用したOSINTを積極的に行うべきということを言っています。
第一報:米軍がベネズエラ首都カラカスを深夜に急襲。AIでOSINTを行うとこれだけ詳細に背景情報がわかる(2026/1/3)
第二報:マドゥロ大統領が捕縛され米国に移送された作戦の全体像をAIがOSINTで緊急分析(2026/1/3)
イランでもイスラム原理主義政権の転覆が図られる
さて。ベネズエラのマドゥロ大統領がニューヨークに移送された後で、「次に何が来るか?」です。ちなみに昨日早朝に上げた以下の投稿でも、Xで得た新鮮な世界情勢に関するOSINT情報をベースに、AI Grokを使ってどこまで何が読み取れるか?を証明するということをやっていました。ここでは米軍はイランの政権転覆を目指す軍事行動を取る可能性が極めて高いということがわかりました。由々しきことです。日本のエネルギー戦略にも大きな影響を与えます。
Grokの日本語による分析記述能力は確かに上がっている。目に飛び込んできた米国空軍の欧州・中東における動き(2026/1/5)
緊迫する国際情勢と軍事バランスの大きな変化。こういう中で着目すべきはニア・リアルタイムの一次情報に限りなく近い「トランプ大統領の生の発言」です。これは流石にNew York Timesなどの米国トップメディアの独壇場です。付言すると、日本のNHKの夜7時のニュースなどでも、特に重要な「トランプ大統領の生の発言」については、切れ端情報として引用はしますが、分析はないに等しく、またワシントン等の現地駐在員のコメントを聞いても、小学生の寝言を聞いているようなもので「この人、頭が悪いんじゃないか?」と思わせるコメントの連続です。TVのスイッチを切ってYouTubeに切り替えたくなります。当然ながら翌日の◯◯新聞を読んでもバツ、日経ですらよく分析しきれていない生煮えの情報が出てくることが少なくないです。つまり日本のメディアは「トランプ大統領の生の発言」を分析する意味では全く当てにできない。
そこで、何をすべきかと言うと、New York Times、Wall Street Journal、Washington Post、Financial Times等の「トランプ大統領の生の発言」を報道することに長けた新聞記事に、この種の文脈解読では抜群の性能を示すChatGPT 5.2を掛け合わせて使うのです。
昨日(2026/1/5)、目に入ってきたNew York Timesの記事が気になったので、New York Timesの何度目かの有料購読を開始しました。
Trump Suggests U.S. Could Take Action Against More Countries(2026/1/5)
On Air Force One, President Trump threatened Colombia and its president, described Cuba as "ready to fall" and reasserted his desire to acquire Greenland.
トランプ大統領がベネズエラ以外の国についても何かをする可能性があることを示唆したと言うのです。
これはChatGPT 5.2に要約、解説させるのが良いと思い、テキスト全文をコピペして彼に要約させました。非常にシャープなトランプ大統領の"意図"が浮かび上がってきました。なお、NHK夜7時のニュースでも確かめましたが、非常に眠たい言葉の羅列があるだけで意味を成しませんでした。
記事要約
2026年1月4日付の米ニューヨーク・タイムズは、ドナルド・トランプ大統領が、ベネズエラへの米国の軍事行動に続き、複数の国に対してさらなる行動を取る可能性を示唆したと報じています。
トランプ氏は大統領専用機エアフォース・ワン内での取材に対し、**コロンビアについて「麻薬(コカイン)を製造し米国に売っている"病的な人物"に支配されている」と述べ、同国の大統領グスタボ・ペトロ**を強く非難しました。米国がコロンビアを標的とした作戦を実施する可能性を問われると、「悪くない話だ」と肯定的に応じています。背景には、カリブ海および東太平洋での米国の麻薬取締り作戦を巡る米・コロンビア間の対立があります。
また、トランプ氏は**メキシコについても、麻薬が大量に流入しているとして「何かをしなければならない」と述べ、麻薬カルテルの強大さを強調しました。さらに、反政府デモが続くイラン**に対しては、政府が再び市民を殺害するような事態が起きれば「米国は非常に厳しく対応する」と警告しました。
一方、**キューバについては、軍事介入は不要との見方を示し、「すでに崩壊寸前だ」と発言。ベネズエラからの石油収入に依存してきたキューバ経済が、ベネズエラ政権の崩壊によって行き詰まっていると指摘しました。これに先立ち、国務長官のマルコ・ルビオ**氏は、キューバ政権がマドゥロ政権を支えているとして、強い問題意識を示しています。
さらにトランプ氏は、デンマークの自治領である**グリーンランド**についても、国家安全保障上の理由から「米国が手に入れる必要がある」と改めて主張し、ロシアや中国の艦船が周辺に展開していることを懸念材料として挙げました。
総じてこの記事は、ベネズエラへの直接行動を起点に、トランプ政権が中南米・中東・北極圏にまで及ぶ強硬な対外姿勢を示していることを描いています。単なるレトリックにとどまらず、実際の軍事・外交行動に発展する可能性をにおわせる発言として、国際社会に緊張を与えている点が強調されています。
まず、トランプ大統領は、自国にベネズエラとコロンビアから麻薬が大量に流入しており、それが産業になっており、その背後に国の首脳がいることに猛烈に怒っています。もう許さんという感じです。これは日本のように諜報がないに等しい国においては、全く信じられないことだと思いますが、米国のようにCIA等複数のインテリジェンスの組織が標的国に関する諜報活動を二重、三重に行っている国では、「マドゥロが産業としての麻薬輸出と米国での販売に最重要人物として関与している」等の事実及び証拠は否定することができない安全保障上の最重要課題として政権閣僚全員で共有している訳です。その上で「猛烈に怒っている」のです。これを日本の二流、三流の報道メディアが諜報トップ国の常識も知らないで、時代遅れの左翼の新聞のように批判して見せるのは...小学生の報道ママごとと言っていいでしょう。YouTubeを見た方がマシです。
長年の諜報活動の結果、マドゥロを急襲してニューヨークに連行することが「是とされる」ほどであったからこそ、あのような作戦行動になったのです。そこは、当事者である米国の政治首脳の立場になって理解すべきです。甘ったるい国際常識では理解し切れない、深い闇のような複合的な犯罪活動がマドゥロ大統領の下で行われてきたのです。それも長年に渡って。
ベネズエラの次はどこか?
さて。次に何が来るか?です。これについては昨日の上の報道記事に続いて出た以下のNew York Times記事が的確に伝えています。書いているのはトランプ政権の安全保障を専門とする記者です。
Superpower Competition: The Missing Chapter in Trump's Security Strategy
President Trump is shifting from discussion of the long-lasting competition among the world's biggest economies and nuclear powers.
この記事を得て、ChatGPT 5.2に、日本にいる我々向けに要約することと、高市政権に対するインプリケーションを述べることを要請しました。以下がその生成物です。
世界は新たな軍事秩序、力の論理、資源等の有無、実利ベースの国益保護、などを基調とする新しい時代に入りました。日本の眠たいメディアの分析などは一切無視して、人類最高レベルの知性に達したAIを駆使した、世界情勢分析、OSINT分析を連続的に行なって、常にニア・リアルタイムで鳥瞰的に状況を把握しながら、日本の国益に合った選択肢を選び続ける必要がある...。そういう時代になったと言うことができます。
なお、付言しておくべきは、トランプ政権自体が、Palantirの政権意思決定支援AIシステム(Gotham。リンク先記事内に解説)を最大限に活用としているということです。以下の記事を参照。これにより、AIを使っていない政権は、トランプ政権がやっていることが全く理解不能という時代になっています。AIは人間の能力をはるかに超えた情報処理能力があるため、ニア・リアルタイムで、米国の敵がどこにいて軍事的に何をすべきかがアドバイスできます。
Palantir(パランティア)オントロジーの凄まじい威力:中国レアアース禁輸発表の72時間後に米国が100%関税で完璧に報復できた理由
現在の世界軍事バランスは、AIが大きく変化させている...ということもまた、直視すべき事実です。
以下では、①記事要約と②日本の高市政権にとっての重要なインプリケーションを、切り分けて整理します。
(分析・示唆部分は、日本の安全保障・資源・外交実務に直結する観点に絞っています)
① 記事要約(NYT 2026/1/5)
本記事は、ドナルド・トランプ大統領が、ベネズエラでのマドゥロ政権急襲・拘束作戦の成功を受け、自身がどれほど「勢いづいているか(emboldened)」を示した論考です。
要点は以下の通りです。
1. 「モンロー・ドクトリン」の再定義(=実質的な領域支配宣言)
トランプ氏は、1823年のモンロー・ドクトリンを復活させるだけでなく、それを自分流に上書きした
**「Trump Corollary(本人は冗談めかして"Donroe Doctrine"とも呼称)」**を示唆しました。
その核心は、
-
米国は
西半球(Western Hemisphere)における"優越(pre-eminence)"を回復する権利を持つ -
中国など「域外勢力」に
戦略的資産・資源・拠点を持たせない -
必要なら
軍事力で"奪取・管理"することも辞さない
という、極めて露骨な勢力圏宣言です。
2. ベネズエラ作戦の本質は「民主化」ではなく「資源支配」
記事が繰り返し強調しているのは、
-
トランプ氏は
民主主義の回復を一切語っていない -
正統な選挙勝者とされた
エドムンド・ゴンサレス氏の政権樹立にも触れていない -
代わりに
石油・資源・補償・権益についてのみ執拗に言及
という点です。
これは、
「民主主義を掲げたブッシュ型の国家建設」とは全く異なる
"完全にトランザクショナル(取引型)な帝国行動"
だとNYTは位置づけています。
3. 次の対象として示唆された国々
トランプ氏の発言から、以下が「次の候補」として浮上しています。
-
コロンビア
→ 麻薬を口実に軍事圧力・政権威嚇 -
キューバ
→ 「侵攻する必要すらない。崩壊寸前」 -
メキシコ
→ 麻薬・カルテル問題での介入示唆 -
グリーンランド
→ 中国・ロシア排除を理由に「米国が持つべき」
特にグリーンランドでは、
-
レアアース
-
北極航路
-
対中・対露軍事拠点
という地政学・資源両面の価値が明示されています。
4. これは「世界戦略」ではない
NYTは重要な点として、
-
トランプ氏は
「西半球は米国のもの」と言うが -
「ではアジアは中国が支配してよいのか?」
という問いには一切答えていない
と指摘しています。
つまりこれは、
-
普遍的価値(民主主義・国際秩序)ではなく
-
限定空間での"力による囲い込み"
であり、**グローバル秩序ではなく"分割統治的世界観"**だ、という評価です。
② 日本の高市政権にとっての重要なインプリケーション
ここからが本質です。
このトランプ型行動は、日本、とりわけ**高市早苗政権(またはそれに近い路線)にとって、以下の重大な示唆を持ちます。
インプリケーション①
「同盟国=守られる存在」ではなくなる
トランプ・ドクトリンの核心は、
同盟かどうかより
"戦略資産かどうか"
です。
これは日本にとって、
-
日米同盟は
自動防衛装置ではない -
日本が
「米国にとって不可欠な戦略資産」であることを
常に実証し続けなければならない
ことを意味します。
➡
高市政権には
「日本は何を差し出せるのか」
を、理念ではなく取引条件として提示する能力が求められます。
インプリケーション②
資源・エネルギーを「倫理」で語る時代は終わる
トランプ氏は、
-
石油
-
レアアース
-
戦略鉱物
を、主権・民主主義より優先しました。
これは日本にとって、
-
エネルギー安全保障
-
レアアース調達
-
サプライチェーン
を、
ESG・国際協調・ルールベース
ではなく
力・確保・排他
で再設計せざるを得ない時代に入ったことを意味します。
➡
高市政権が掲げる
経済安全保障・資源確保政策は「正しい」
ただし
はるかに露骨で現実主義的である必要があります。
インプリケーション③
台湾・東アジアは「次の西半球」になり得る
トランプ氏が示した論理は単純です。
-
中国を排除する
-
戦略資産を確保する
-
必要なら力を使う
これは、
-
台湾
-
南シナ海
-
尖閣周辺
に完全に当てはまるロジックです。
ただし重要なのは、
米国が守るのは
「民主主義の台湾」ではなく
「半導体・海上優勢・対中拠点としての台湾」
である可能性が高い、という点です。
➡
高市政権には、
-
台湾有事=価値の戦争
という説明から -
台湾有事=戦略資産の戦争
へ、国内説明の転換が求められます。
インプリケーション④
日本は「理念国家」から「交渉国家」へ変われるか
このNYT記事が突きつけている最大の問いは、
トランプ型世界で、日本は主体的に振る舞えるのか?
という点です。
-
正義
-
国際秩序
-
法の支配
を語るだけでは、
何一つ守られない世界が現実に始まっています。
➡
高市政権がもし誕生・継続するなら、
-
日本は
米国にとっての不可欠な"駒"であり続けるのか -
それとも
自前の交渉カード(技術・資源・地政学)を持つのか
という、極めて冷酷な選択を迫られます。
総括(ひと言で)
このNYT記事は、
「トランプは異常」ではなく、
「世界が力の論理に戻った」
ことを示しています。
高市政権にとって重要なのは、
トランプを批判することではなく
トランプ型世界で"生き残る国家設計"を
日本ができるかどうか
でしょう。