オルタナティブ・ブログ > インフラコモンズ今泉の多方面ブログ >

株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

大貫妙子は強力なミュージシャンをひきつける磁石のような存在だと思う

»

ヤフオクで落札した大貫妙子「ロマンティーク」、「ミニヨン」、「アバンチュール」などのLPレコードが届き、少しずつ聴き始めています。(なお、自分としてはこの3枚については80年代初頭に友人宅で何度も聴いたことがあり、音に接するのは初めてではありません)
中に入っているリーフレットを見ると、改めて、参画しているミュージシャンの豪華さに驚きます。

例えば、「ミニヨン」のB面3曲目「海と少年」の場合はこうです。

arrangement 坂本龍一
guitars  鈴木茂・松原正樹
drums  高橋ユキヒロ
bass  細野晴臣
keyboards 坂本龍一
percussion 浜口茂外也

そのほか、このアルバムには高中正義なども参加しています。他にもどこかで目にしたなというミュージシャンがけっこういて(失礼ながらあまり詳しくない)、自分にもうーんすげーとわかります。

だいたい半数以上は坂本龍一のアレンジによるもので、それらの曲には細野晴臣がベースで参加しています。世界は初期の坂本龍一のものと言っていいでしょう。
以前、自分の投稿で坂本龍一についてやや偏見に満ちた評価を記したことがありましたが、それはここで訂正します。
じっくり聴いてみると、この頃彼が狙っていた世界が少しは理解できる気がして、それはポップ世界におけるファンタスティックなオーケストレーションとでも言うべきものですが、それはそれでよいものだということが身にしみてわかります。同時期に似た世界を追求していたのは、言うまでもなく、松任谷由実における松任谷正隆ですが、彼がプロ中のプロとして、よい意味で職人に徹していたのと比較すると、坂本龍一の大貫妙子の初期楽曲アレンジは、より表現者的であり、新鮮です。(1曲々々真剣にヘッドフォンで聴き込んでもその都度発見があるぐらいの、細かな作り込みをしているのも頭が下がります)。

手元に届いたアルバムのうち「アバンチュール」と「ミニヨン」片面を聴いただけですが、この頃の大貫妙子のアルバムは日本のポップミュージックにおける至宝と言っても間違いないと思います。

「ミニヨン」B面最終曲「あこがれ」(これもじっくり聴くとクラシックになりうる名曲だと思います。特に詞がいい)の間奏およびエンディングで、高中正義、鈴木茂、吉川忠英の3人が次々にギターで競り合うところは、ビートルズの「アビーロード」の「キャリーザウェイト」~「ジ・エンド」においてジョンとジョージとがかけあう部分に対するトリビュートのようになっており、聴かせます(エンディングはもう少し長いとよかった)。満足度は高いです。

大貫妙子に限らず、この時期のはっぴぃえんど、ティンパンアレイ、ナイアガラ、YENレーベルに関係したミュージシャンが参加しているLPは、細かく聴くとそれなりの発見があるような予感が大いにあり、「すべて聞き込んだ!」というのでなければ、アプローチのしがいがあると思います。(トシを食うとわかるよさというのが、あるんですねーこれがまた)

Comment(0)