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メタバースやWeb3が期待される背景 ~総務省 Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会資料から

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総務省は2022年8月1日、「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会(第1回)」を開催しました。

この中から、メタバースやWeb3が期待される背景について、とりあげたいと思います。

メタバースやWeb3が期待される背景について、まずは技術の発展での視点です。

仮想空間の構築を担うクラウドに加え、ユーザ端末側でリアルタイムに描画を行うGPUも数十年で大きく性能が向上。

また、モバイル通信の最大速度は30年間で約10万倍に、我が国のインターネットトラヒックは10年で約13倍に増加。

こういった通信技術の進展も後押ししています。

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出典:総務省 Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会(第1回)2022.8.1

現実世界を仮想空間として再構築する「デジタルツイン」の作成に当たっては、現実世界のデータを大量に取得することが必須であり、2010年代以降に普及したIoTセンサーやドローン等によるデータ収集に期待。

中央管理型のサーバを必要としない仕組みとして、2000年代に流行したP2P技術に加え暗号化やコンセンサスアルゴリズムを組み合わせた、改ざん耐性を持つ分散型台帳技術である「ブロックチェーン」の利活用が期待。

デジタルツインやブロックチェーンの進展も大きな流れの1つと考えられます。

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出典:総務省 Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会(第1回)2022.8.1

プラットフォーマーによる市場の寡占とデータに関する意識の変化も大きな動きです。

2010年代以降普及したスマートフォン、タブレット等のモバイル市場は、OSとアプリとのネットワーク効果や、データ集積等によるスイッチングコスト等に起因する囲い込みが生じ、少数のプラットフォーム事業者による寡占構造となっている点を指摘しています。

他方、社会のデータに関する意識の変化に合わせ、EUのGDPRをはじめ、各国において個人情報保護やデータの取扱いに関する制度整備が進展しています。

こういった中で、特定のプラットフォーマーにデータを預けるという考え方から、自分自身がデータを保有することの重要性も議論となっています。

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出典:総務省 Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会(第1回)2022.8.1

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