中小企業の経営力再構築伴走支援モデル
経済産業省は2022年7月25日、「第6回 産業構造審議会 経営力向上部部会(書面審議)」を開催しました。
この中から、中小企業への経営力再構築伴走支援モデルについてとりあげたいと思います。
中小企業を取り巻く環境変化では、経営環境の変化はこれまでも常々起こってきたが、近年特にその変化の度合いとスピードが高まっており、その変化は不可逆的で、中小企業・小規模事業者もこうした変化に巻き込まれ、柔軟に対応していくことが必要となっています。
また、人口減少・流出の課題を抱える地方圏においては、支援機関や地域金融機関、自治体等が連携し、地域を支える企業の持続的な成長を起点に、地域経済が自立的に活力を維持していく好循環を生み出すことが重要となっています。
不確実性の時代は、「経営力そのもの」が問われるため、そもそも何を課題として認識・把握するかという課題「設定」型の伴走支援の重要性が増しています。この課題設定を行い経営を変革させていく上で、経営者は多くの壁に直面する。第三者による伴走支援によってそれらの壁を乗り越えることで自走化に導き、自己変革力の会得を促す、そのための、第3者による伴走支援の重要性をあげています。
こういった状況の中、経済産業省が示している中小企業の経営力再構築伴走支援モデルでは、経営者との対話を通じた信頼の醸成、経営者にとっての本質的課題の掘り下げが重要。これが経営者の腹落ち(納得)に繋がり、内発的動機づけが得られるといったモデルを目指しています。
出展:経済産業省 第6回 産業構造審議会 経営力向上部部会
経営力再構築伴走支援モデルは、経営者の自己変革力、潜在力を引き出し、経営力を強化・再構築をすることを目的とした
以下の3つの要素をあげています。
・要素一 支援に当たっては対話と傾聴を基本的な姿勢とすることが望ましい
・要素二 経営者の「自走化」のための内発的動機づけを行い、「潜在力」を引き出す
・要素三 具体的な支援手法(ツール)は自由であり多様であるが、相手の状況や局面によって使い分ける
出展:経済産業省 第6回 産業構造審議会 経営力向上部部会
経営力再構築伴走支援モデルは、経営者にとっての本質的課題を掘り下げる課題設定を重視している一方で、その先の課題解決に繋げていくことも重要となっています。
課題解決に向けて、支援者のスキルを磨くとともに、カーボンニュートラルやDX等、より専門性が高い分野については、適切な専門家や支援者とのネットワークを構築し、円滑な橋渡しを実施することが必要であるとしています。
出展:経済産業省 第6回 産業構造審議会 経営力向上部部会