経済産業政策の新しい「軸」を打ち立て、日本経済を成長させたい
経済産業省は2022年6月13日、「経済産業政策新機軸部会中間整理」を公表しました。
産業構造審議会経済産業政策新機軸部会において検討を進めてきた、目指すべき経済社会のビジョンや、ビジョン実現に向けた政策の基本的な考え方、対応の方向性を中間整理としてまとめ、今回、公表しています。
今回の中間整理のポイントは、
グリーン、デジタルなどの社会課題の解決が未来の成長の種にもなるとの考え方の下、社会課題解決をミッションとして掲げて、政府も民間も一歩前にでて投資を拡大していく「ミッション志向の産業政策」を進めるとしています。
そのために、大規模・長期・計画的な支援等の施策を総動員し、日本で停滞している成長投資を、他の先進国を超えるペースで拡大することを目指していくとしています。
具体的には以下の6領域を政策を推進していくためのミッションと捉えています。
- 炭素中立型社会の実現
- デジタル社会の実現
- 経済安全保障の実現
- 新しい健康社会の実現
- 災害に対するレジリエンス社会の実現
- バイオものづくり革命の実現
また、以下の6領域において、経済社会システムの基盤の組替え(OS組替え)を進めていくとしています。
- 人材
- スタートアップ・イノベーション
- グローバル企業の経営:価値創造経営
- 徹底した日本社会のグローバル化
- 包摂的成長(地域・中小企業・文化経済)
- 行政:EBPM・データ駆動型行政
今回の中間整理のポイントの大きなポイントは
経済産業政策の新しい「軸」を打ち立て、日本経済を成長させたい
という点です。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
30年間、成長できなかった日本。これらを打破するためには、「経済産業政策の新機軸」が必要と提言しています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
「経済産業政策の新機軸」としての対応の方向性として、2本の柱を掲げています。
その一つが、ミッション志向の産業政策です。
①炭素中立型社会の実現
②デジタル社会の実現
③経済安全保障の実現
④新しい健康社会の実現
⑤災害に対するレジリエンス社会の実現
⑥バイオものづくり革命の実現
の6項目をあげています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
もう1つの柱が、経済社会システムの基盤の組み換えです。
①人材
②スタートアップ・イノベーション
③グローバル企業の経営:価値創造経営
④徹底した日本社会のグローバル化
⑤包摂的成長(地域・中小企業・文化経済)
⑥行政:EBPM・データ駆動型行政
の6項目をあげています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
ミッション志向の産業政策では、特定の産業育成ではなく、経済社会課題の解決=ミッションを最優先にした新しい形の産業政策を目指し、官民でビジョンを共有して大胆に投資していくことを目指しています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
一方、基盤となる経済社会システムの組み換えでは、たとえば、スタートアップ・イノベーションの分野では、5年後までに国内スタートアップへの投資額を10倍にする、といった目標を掲げています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
たとえば、人材のぶにゃでは以下のとおりで、特に、日本型雇用システムの見直しが求められています。また、好きなことに夢中になれる教区への転換も重要となっています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
最後に価値創造経営の分野では、以下の5つの軸で実質的な企業改革の推進の重要性をあげています。
出典:経済産業政策新機軸部会中間整理 2022.6
本件、ポイントのみの抜粋ですので、より深く読み込んでみると、実践に生かせる分野も多いのではと考えています。