ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0
国土交通省は2021年6月25日、「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0」を公表しました。
国土交通省では、ドローン物流の社会実装をより一層推進していくため、「過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会」において、ドローン物流サービスにこれから着手する主体を対象とすることを念頭においた手引きとして位置づけています。
物流機能の維持は、ユニバーサルサービスの観点から非常に重要な課題で、特に過疎地域等においては、輸配送の効率化のためにドローン物流に注目が集まっています。今後、ドローン物流の社会実装をより一層推進していくためには、ドローン物流に関する課題を抽出・分析し、その解決策や持続可能な事業形態を整理することが必要であるとしています。
2.ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0の主な内容は以下の第二部で構成されています。
第1部 社会実装編
・利用者視点を踏まえた事業コンセプトの構築
・検討・実施体制の整備
・サービス内容、採算性確保
・安全の確保 等
第2部 法令編
・航空法に基づく安全の確保 等
本ガイドラインは、レベル3飛行によりドローン物流事業を計画する者を対象としています。
第1章の利用者視点を踏まえた事業コンセプトの構築では、ドローン物流の導入に際して、事業計画者は、初めに「地域が抱える課題を整理」し、その「課題解決方法としてのドローンの有効性」を確認した上で、利用者の視点に立脚し、「いつ」「どこへ」「何を」運ぶかなど「活用方法の具体化」を図ることが重要としています。
第2章 検討・実施体制の整備では、〇事業コンセプトの構築の後、検討・実施体制の整備を行うことが重要であるため、①サービス利用者の明確化、②サービス提供体制の構築、③地元地方公共団体、住民理解と協力の確保等の検討を行うことが必要で、事業推進のため、④プロジェクトマネージャーを選定することが望ましいとしています。
ポイントとなるのが、第3章 サービス内容、採算性確保です。検討・実施体制の検討後、ドローン物流サービスの提供に関する「①ユースケースに応じた機材の選定」、 「②離着陸場所、飛行ルート及び運航頻度」、「③利用者インターフェース」、「④荷物等の管理・配送」、「⑤保険への加入」及び「⑥収支改善方策」の検討を実施するとしています。
出典:国土交通省 ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0 2021.6
第4章 安全の確保では、〇ドローン物流サービスの提供にあたって、「飛行マニュアルの整備」、「落下リスクの小さい場所の選定」、「航空機や他の無人航空機との相互間の安全確保」、「第三者の立入管理」、「安全対策、事故時の対処方針」等、飛行の安全に万全を期すことが重要としています。