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【診療・服薬指導 編】規制改革推進会議で決定された新型コロナウイルス感染症患者の増加に際してのオンライン技術の活用について

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内閣府は2020年4月8日、「令和2年第4回経済財政諮問会議」を開催しました。

新型コロナウイルス感染症が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のため、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度を見直し、できる限り早期に実施すべきである。

新型コロナウイルスの感染拡大により、休業が長期化し教育課程の実施に支障が生じる事態に備え、特例的な措置として、柔軟な運用も含め、家庭での学習支援等による児童生徒等の教育機会確保のための施策を講ずるべきである。

とし、政府では、新型コロナウイルス感染症患者の増加に際してのオンライン技術の活用について、診療・服薬指導と、遠隔教育について、実施すべき事項をあげています。

今回は、診療・服薬指導について、とりあげます。
ほぼ引用が中心となります。

1.診療・服薬指導について

【現状と課題】

(1)オンライン診療・電話診療の活用に向けた課題

新型コロナウイルス感染症患者の増加を受け、厚生労働省は令和2年2月 28 日付け事務連絡(「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」)を発出し、慢性疾患等を有する定期受診患者等に対し、かかりつけ医等による電話や情報通信機器(以下「電話等」という。)を用いた診療の実施が認められた。しかしながら、具体的な疾患の範囲や実施するに当たっての要件が十分に周知されておらず、電話等による診療は十分に実施・利用されていない。また、電話等による診療では、対面診療時と同等の医学管理料等を算定することができないため、対面診療に比べて診療報酬が低くなり、電話等による診療を実施するインセンティブが確保されない。加えて、オンライン診療料の1月当たりの算定回数の割合も制限されており、オンライン診療の十分な活用ができない。さらに、風邪などの急性疾患患者については、電話等による診療の対象となっていないため医療機関を対面受診する必要がある。

オンライン診療・電話診療では、患者が医療機関に赴くことなく医療提供を受けることができる。また、患者が医療機関を受診することによる院内感染のリスクを減らすことができる。今般の新型コロナウイルス感染症のような感染症拡大のおそれがある状況下においては、電話等による診療が最大限活用されるよう周知徹底を図るとともに、その対象についても、医療機関を受診することによる感染拡大のリスクと、対面診療をしないことによる見逃しや重症化のリスクを比較考量し、直ちに制度を見直すべきである。


(2)オンライン服薬指導・電話服薬指導の活用に向けた課題

前記事務連絡では、電話等による診療を行った場合に限りファクシミリ等による処方箋情報を受け付けた薬局が、電話等による服薬指導を行うことが認められている。しかしながら、電話等による服薬指導は、電話等による診療を行った場合等に対象が限定されているため、十分に実施・利用されていない。オンライン服薬指導・電話服薬指導は、今般の新型コロナウイルス感染症のような感染症拡大のおそれがある状況下において、患者が薬局に赴くことなく必要な服薬指導を受け、薬剤を受け取ることができる点で極めて有効な手段である。したがって、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、電話等による服薬指導が最大限活用されるよう周知徹底を図るとともに、電話等による診療以外の通常の診療を受けた場合においても、オンライン服薬指導・電話服薬指導が受けられるよう、直ちに制度を見直すべきである。

【実施すべき事項】

(1)オンライン診療・電話診療の活用

ア オンライン診療・電話診療の拡充(初診対面原則の時限的緩和・診療報酬上の取扱いの見直し)

新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、医療機関への受診が困難になりつつある状況下において、国民・患者が安心して医療を受けることができるよう、初診も含め、電話等で医療機関へアクセスし、適切な対応が受けられる仕組みを整備する。具体的には、医療の提供が必要と考える国民・患者に対して、電話等によりアクセス可能な医療機関又は医療機関の窓口となる連絡先等の情報を提供する体制を整備しつつ、当該情報に基づき電話等で連絡した患者に対して、対応する医療機関の医師は電話等による適切な診療を実施し、過去に受診歴がある又は診療情報提供書、地域医療ネットワーク、健康診断の結果等により基礎疾患の
情報が把握できている患者については、医師の判断で診断や処方を行う。さらに、過去に受診歴のない者について、医療機関(患者の利便に資するよう都道府県を経由して厚生労働省が公表)の電話等による診療を行う医師は、その判断により診断や処方を実施する。この場合においては、医薬品の横流し等のリスクに対応するために、医薬品の処方に一定の制限を行うこととする。なお、電話等による診断や処方を行うに当たっては、以下の点にも十分留意することとする。

・電話等による診療を行う場合は、医師が地域における医療機関の連携の下で実効あるフォローアップを可能とするため、必要に応じた対面診療への移行やあらかじめ承諾を得た他医療機関に紹介できることを条件とする。

・患者のなりすましの防止や虚偽の申告による処方を防止するために可能な限りの措置を講じる。さらに、電話等による診療を実施した場合に、医療機関が十分な対価を得られるようにするとともに、オンライン診療がより実施・提供されやすくなるよう、新型コロナウイルス感染症の対応下においては、オンライン診療実施医療機関における1月当たりのオンライン診療料の算定回数の割合の制限(1割以下)を見直す。

イ 医療関係者、国民・患者への周知徹底

上記の事項を実施する上で、電話等による診療について医療関係者及び国民・患者に対して周知を徹底する。併せて電話等による診療を実施する医療機関の一覧をホームページ等で公表し、逐次更新する。

(2)オンライン服薬指導・電話服薬指導の活用

ア オンライン服薬指導・電話服薬指導の拡充(時限的対応

新型コロナウイルス感染症の対応下において、患者・服薬情報に基づき薬剤師が適切と判断した場合には、薬剤の適正使用を確保するとともに、不正入手防止策を講じた上で、当該患者が電話等による診療を受診した場合のみならず、対面診療を受診した場合においても電話等による服薬指導を可能とする。

イ 電話等による受診勧奨時の一般医薬品の提供

新型コロナウイルス感染症の対応下、上記(1)アにおける医師が電話等により患者に対して一般用医薬品を用いた自宅療養等の助言等を実施した場合には、薬局等は当該患者の求めに応じ、一般用医薬品を患者宅に提供する。

ウ 薬局、医療関係者及び国民・患者への周知徹底等

上記の事項を実施する上で、電話等による服薬指導及び薬剤の配送についてその実施方法等を具体化・明確化しつつ、全ての薬局が対応することを含め、薬局、医療関係者及び国民・患者に対して周知を徹底する。
(3)対応期間内の検証
(1)及び(2)はいずれも新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、医療機関への受診が困難になりつつある状況下にあることに鑑みて時限的な対応とするものであることから、感染が収束するまでの間とし、原則として3か月ごとに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況、(1)及び(2)の実用性と実効性確保の観点、医療安全等の観点から改善のために検証を行うこととする。その際、都道府県単位の協議会が実績や地域との連携状況についての評価を行うこととする。

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