将来の通信ネットワークの変遷は?
総務省は2019年9月23日、「情報通信審議会 情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会(第52回)」を開催しました。本資料の中から、将来の通信ネットワークの変遷についてとりあげたいと思います。
本委員会におけるこれまでのヒアリングや検討を踏まえ、将来の通信ネットワークの変遷を次の4つのフェーズに分けてはどうか、という提案をしています。
出所:総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会 2019.9
ネットワークの特徴はフェーズ1(〜2020年)までは、ネットワークスライスはなしですが、フェーズ2では、単一事業者内で一部サービスにスライスが導入し、フェーズ3では、単一事業者内でE2Eのスライスが進展、フェーズ4では、複数事業者間でE2Eのスライスが導入されていくと予想しています。
ステークホルダについてはフェーズ1やフェーズ2では電気通信事業者 となっていますが、フェーズ3では電気通信事業者以外にも3rd Party(OTT等)が参入し、フェーズ4では電気通信事業者以外の3rdParty(OTT等)の役割が増大していくと予想しています。
出所:総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会 2019.9
フェース4の仮題では以下3点をあげています。
◆複数の通信事業者に跨がるようなエンド・ツー・エンド(E2E)でのスライスが実現し、総合的・統合的なMANOの登場も想定されることから、法令における「電気通信事業者」の定義も含めて、総合的・統合的なMANOの定義や要件等が必要になるのではないか。
◆ APIを通じて一部機能の外部開放が進み、3rdパーティを含めてより多くのステークホルダーが関与してくることが想定されるため、責任分界の考え方について明確化が必要になるのではないか。(APIを利用するための要件等も必要になるのではないか)
あわせて、技術基準についても抜本的な見直しが必要になるのではないか。
◆通信事業者を跨がってネットワークの設定・運用・管理に関連するデータを収集・分析・活用するための仕組が必要になるのではないか。
出所:総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会 2019.9