フィンテックにおける現在の利用事例と今後の活用の可能性、そして課題
金融庁は2019年9月5日、「FinTech Innovation Hub 活動報告『多様なフィンテックステークホルダーとの対話から見えた10の主要な発見(Key Findings)』」として取りまとめを公表しました。
金融庁では、フィンテックについての最新トレンド・状況を把握し、今後の金融行政にも役立てていく観点から、昨年7月に「FinTech Innovation Hub」を設置し、フィンテック企業、金融機関、ITベンダーなど、100先以上の企業等との個別の意見交換などを実施し、今回公表しています。
フィンテックにかかわる技術・ビジネスの動向把握を通じて、今後のフィンテック事業や、金融機関経営や金融・資本市場への影響の方向性について分析し、金融サービスや国民生活向上につながるよう、政策課題の抽出や具体的施策を策定を行っています。
まとめのが以下の動向一覧です。
AIの活用では、与信判断や不正取引検知、業務効率化、投資判断(ロボットアドバイザー)などが現在利用されています。
今後の活用の可能性は、これまでの取り組みの精度向上や高度化、そして、検証可能AI(ホワイトボックスAI)の活用などをあげています。
今後の課題は、ブラックボックス化にる判断の検証可能性をあげています。
出所:金融庁 2019.9
ヒアリング実績では、技術以外の回答が38%と多い中、技術ではAIの活用が23%と最も多くなっています。
出所:金融庁 2019.9
利用者に対し金融サービスを提供する主体である金融機関やフィンテック企業を巡っては、多様なプレイヤーが存在しており、近年のオープンイノベーションの流れを反映するように、異業種間も含めて相互の関係が多岐に亘る形で、一 定のエコシステムが形成されつつあるとし、以下のとおるエコシステムの俯瞰図をまとめています。
出所:金融庁 2019.9