21 世紀の「公共」の設計図
経済産業省は2019年8月6日、「21世紀の『公共』の設計図」(報告書)をとりまとめを公表しました。
経済産業省では、社会ニーズ・価値観の多様化や、デジタル技術の変化を踏まえて、今後公共サービスがどのように供給されるか、これに伴い政府はどのように役割を変えるのかについて、検討をとりまとめています。
「公共」分野でも、個人を含む誰もがサービスの担い手・受け手としていつでも簡単に参加できる"プラットフォーム"、すなわちデジタルID、電子認証、データ共有の仕組みなどデジタル公共財を提供する役割にシフトしており、「小さくて大きい政府」により、社会の活力をいかしながら、少ないコストで多様なニーズに答えることのできる、21世紀の新しい「公共」を実現できるかが求められています。
「未来の政府」の絵図では、未来の政府がすべきことして、以下の3点をあげています。
1. 多様な主体が公共サービスを担えるようにするためのデザイン
2. デジタル公共財の整備
3. コミュニティの(再)構築
デジタル公共財の整備では、
インドの例にあるように、公共サービスが担う機能やプロセスを整理し、アーキテクチ
ャを設計する。ID、eKYC(electronic Know Your Customer:デジタル認証の仕組み)、決済などの共通要素を徹底的に括りだす。共通要素について「デジタル公共財」として整備し、オープン API などを通じて、個人や企業など様々なプレイヤーと共有する。
同時に、アーキテクチャ上のプロセスの規格を統一することで、様々な者が自分のサービスを接続しやすくし、サービス提供にかかるコスト削減に寄与する。
「デジタル公共財」として想定される機能は、例えば以下のものがある
・ニーズの特定/マッチング機能自分のちょっとした時間、お金を誰かのために充てたいと思った時、今どこに困っている人/ニーズが存在するかが、いつでもすぐ見つけられるようするため、データをオープンにする。
・信頼性の確認(ID・認証・評価指標)サービスの担い手とニーズが見いだされた後に、相手の信頼性をはかるのにはコストがかかる。これを簡単に確認できるようにする。
をあげています。
出所:経済産業省 「21世紀の『公共』の設計図」(報告書) 2019.8