医療分野のイノベーションにおける新たな視点
政府は2019年4月22日、「未来投資会議構造改革徹底推進会合「健康・医療・介護」会合(第6回)」を開催し、医療分野のデータ課長について議論・検討を行っています。
今回は経済産業省の健康・医療情報の利活用に向けた民間投資促進に関する観点から取り上げたいと思います。
健康・医療分野においては、データ利活用の重要性の高まっています。
背景には、1つ目に健康・医療分野の課題の変化があります。これまでは、生活習慣病や老化に伴う疾患が課題の中心でした。これからは、疾患の予防・進行抑制や疾患との共生や、病院の外の日常生活も含めた総合的な取組により国民・患者のQOLを高める取組が重要となっています。
2つ目は、医療の専門分化が進み、個々の医師が総合性を獲得することが困難にとなっており、 データを活用することで総合性を獲得する、IoBMT(Integration of BioMedical Things)の推進が重要であるとしています。
こういった背景を受け、民間投資の活性化により、IoT・AI等の技術革新を最大限に取り入れ、医療の質を高めるイノベーションを実現することの重要性を示しています。
医療分野のイノベーションにおける新たな視点も紹介しています。
技術革新によって、予防・モニタリングを含めた、従来必ずしも活用されてこなかったデータ(日常生活情報等)の活用が可能になりつつあります。これにより、薬、機器、サービスを別々に開発するのではなく、組み合わせてパッケージで提供するアプローチ(パッケージ型ヘルスケアソリューション)が重要になるとしています。
出所:未来投資会議構造改革徹底推進会合「健康・医療・介護」会合(第6回) 2019.4
国内の疾患に占める内因性疾患の割合が高まる中、治療の場は病院から生活の場に広がり、患者を中心としたケア全体で治療成果向上を目指す方向にシフトしています。グローバルでも製薬メーカー・医療機器メーカーなどは、薬・医療機器単体を提供するビジネスモデルから、予防・モニタリングを含めてヘルスケアソリューションを提供するビジネスモデルへ転換しつつあります。
出所:未来投資会議構造改革徹底推進会合「健康・医療・介護」会合(第6回) 2019.4