国土交通データプラットフォーム(仮称)構想とは何か
政府の未来投資会議は2019年3月5日、「産官協議会「次世代インフラ」会合(第3回)」を開催し、電気、ガス、鉄道、通信事業者における新技術開発の取組みについて、議論検討を行っています。
今回は、国土交通省が取り組んでいる「国土交通データプラットフォーム(仮称)構想」について、とりあげたいと思います。
「国土交通データプラットフォーム(仮称)構想」は、
国土交通省が多く保有するデータと民間等のデータを連携し、フィジカル(現実)空間の事象をサイバー空間に再現するデジタルツインにより、業務の効率化やスマートシティ等の国土交通省の施策の高度化、産学官連携によるイノベーションの創出を目指しています。
具体的には、以下の活用を可能とする国土交通データプラットフォーム構想の実現を図るとし、以下の3点をあげています。
① 国土に関する情報をサイバー空間上に再現するインフラデータプラットフォームを構築
② インフラデータプラットフォーム上に経済活動や自然現象のデータを用いてサイバー空間上でシミュレーションを実施
③ サイバー空間上でシミュレーションした結果をフィジカル空間に反映し、課題解決を図る
対象は、
①国土に関するデータ(基盤地図、地盤情報、構造物に関するデータ)
②経済活動(人や物の移動等)に関するデータ(交通、物流、観光等に関するデータ)
③気象等の自然現象に関するデータ(気象、防災等に関するデータ)
整備方針は、
①個々のデータベースの充実・拡充
②分野ごとの検索機能の構築・高度化
③サイバー空間上でのデータの再現機能の構築
となっています。
インフラデータプラットフォームのイメージは、
• 国土に関する情報をサイバー空間上に再現するインフラデータプラットフォームを構築
• 2019年度に基盤地図上に地盤データと構造物データを位置情報でひもづけ、同一地図上に表示
• また、2019年度に一部の地域において都市の3次元モデル化を試作
• 都市の3次元モデル化にあたっては、自治体構造物データ及び民間建築物データとも連携
となっています。
出所:未来投資会議 産官協議会「次世代インフラ」会合(第3回) 2019.3
国土交通データプラットフォーム(仮称)のイメージは、•インフラデータプラットフォーム上に経済活動や自然現象のデータを用いてサイバー空間上でシミュレーションを実施し、サイバー空間上でシミュレーションした結果をフィジカル空間に反映し、課題解決を図るイメージとなっています。
出所:未来投資会議 産官協議会「次世代インフラ」会合(第3回) 2019.3
インフラ・データプラットフォームの構築にあたっては、
測量・調査から設計、施工、維持管理に至る建設生産プロセス全体で得られた構造物データや地盤データ等を集約・共有し、自治体のデータとも連携のうえ、サイバー空間上に国土を再現するインフラ・データプラットフォームを構築(2019年度に構造物データと地盤データを同一地図上に表示)
・ インフラ・データプラットフォームと民間等のデータを含めた防災・交通等のデータとの連携により、災害時の避難シミュレーションや最適なヒートアイランド対策等を実現など、行政サービスの高度化や新しい産業やサービスの創出を実現
の2点をあげています。
出所:未来投資会議 産官協議会「次世代インフラ」会合(第3回) 2019.3