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高齢者就労の現状と課題

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経済産業省は2018年9月21日、「第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会」を開催しました。

今回は、2050年までの経済社会の構造変化と政策課題についての中から、高齢者就労の現状と課題ついてご紹介したいと思います。

平均寿命が延びたことで、「老後の期間」が長期化しています。1920年は現役期間が40年で老後期間に対して、2017年は現役期間45年で老後期間が24年となっています。

男性の平均寿命が81.09歳、女性が87.26歳となっている状況ですが、男性は87歳、女性は93歳で亡くなる方が最も多く(約3人に1人に相当)なっています。

高齢者の体力・運動能力はこの10年強で約5歳若返っています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

歩行速度については、2006年までの10年で約10歳若返ったとのデータもあります。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

70歳以降まで働くことを希望している高齢者は8割にのぼるという調査もあります。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

65歳以上を「支えられる側」とすると、2017年に現役世代2.1人で1人の高齢者を支えることに。2065年には1.3人で1人の高齢者を支えることになるとしています。
その一方で75歳以上を「支えられる側」とすると、2017年に現役世代5.1人で1人の高齢者を支えることに。2065年であっても、2.4人で1人を支えることが可能としています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

75歳以上を「支えられる側」とすると、以下のような整理となります。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

高齢者の就業者数・就業率ともに拡大し、足元では31%が就労となっています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

2006年・2013年の高年齢者雇用安定法改正を受けて、近年、60代前半の就業率が上昇しています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

自営業比率の減少にも関わらず、65~69歳の就業率も拡大。70歳以上は横ばいとなっています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

国際的に見ると、我が国の高齢者就業率は高くなっています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

65歳以上労働者の多くは、「自分の都合の良い時間に働きたいから」という理由で非正規を選択しており、特に、女性は、男性と比べて、「家事・育児・介護などと両立しやすい」という理由が多くなっています。

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出所:第1回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会 2018.9

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