日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因とは
内閣府は2018年9月13日、「科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議有識者議員との会合(平成30年度)」を開催し、「科学技術指標2018」や研究力の現状を踏まえた文部科学省の取組みなどについて公表しています。
日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因案①では、
① 90年代以降、企業の基礎研究撤退
② 大学や企業での研究者としてのキャリアパス不安定化による理工系分野での博士課程進学者・若手研究者減少
③ 近年、教員の実質的な業務量増加、基盤的経費の減・外部資金の増、(教員数増の中での)若手ポストの減少など
があげられています。
今後の方向案では、
□挑戦的・自立的で多様な研究の支援に向けた資源配分の担保
□企業との連携等を通じた博士学生のキャリアパス明確化・多様化及び大学院教育の充実
□人事給与システム改革など大学改革を含む若手研究者支援策の早急な策定
の3点をあげています。
日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因案②では、
大学、若手研究者、企業の3つのカテゴリから以下のとおり整理しています。
出所:内閣府 2018.9
研究力の現状を踏まえた文部科学省の取組では、
○量的指標となる論文数、質的指標となるTop10%補正論文数ともに、シェア及び世界ランクの双方が低下。
○大学等の研究開発費は他国と比較して弱い伸び率。
○新たな研究分野について、参画する領域数が2008年以降停滞傾向。
の現状を踏まえ、研究力向上加速プラン、大学改革、オープンイノベーション促進システム整備の3点をあげています。
出所:内閣府 2018.9
研究力向上加速プランでは、10年後を見据え、研究生産性の高い事業等について、若手研究者を中心に、リソースの重点投下・制度改革に関するプランを示しています。
出所:内閣府 2018.9