4次元サイバーシティの活用イメージ
総務省は2018年7月4日、「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」最終報告書を公表しました。
総務省は、地球上に山積する人口問題、資源・エネルギー枯渇、環境汚染等多くの課題に対して、宇宙利用の推進・高度化が有効であるとの認識から、「宇宙利用の将来像に関する懇話会」を立ち上げ、特に衛星データの時間変化に着目した「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」を平成30年2月から開催し、防災や農業など幅広い分野での衛星データの利活用が進展するよう、議論を進めています。
今回、最終報告書をとりまとめ、活用イメージを改めて明確化した「4次元サイバーシティ」や、その具体的活用例として挙げたユースケースは、パラダイムを具現化し、変化の発見が価値を生み出すことが身近で当たり前になる社会像を示しています。
本報告書の目次は以下のとおりとなっています。
第1章 検討の背景
第2章 衛星データ活用の現状・展望と課題
第3章 4次元サイバーシティの活用イメージ
第4章 今後の取組の方向性
4次元サイバーシティの定義は、
衛星データによる3次元空間内の情報の把握※1と、AI解析による時間変化の自動抽出等※2により、4次元(3次元+時間軸)的に様々な情報の分析を可能とするもの
です。
4次元サイバーシティの活用ニーズが見込まれる領域は、防災・災害や都市計画・インフラ管理、環境、農林水産、マーケティングなど、多岐にわたっています。
防災・減災では、災害は素因(斜面の状況等)と誘因(豪雨等)とが合わさり起こることから、リスクのある地形等を抽出した上で、降水量等をリアルタイムで監視するといったケースなどを想定しています。
出所:総務省 「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」最終報告書 2018.7
都市計画では、建物の建築や取壊し、空き家の状況、農地の作付け状況、橋梁等の大規模インフラの老朽化等の変化について効率的に把握し、有効な土地活用計画や交通計画に活用するケースなどを想定しています。
出所:総務省 「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」最終報告書 2018.7
農業では、施肥の計画を立てたり作付けや収穫の時期を知らせたり、病気の発生をいち早く発見するための情報を提供や、農地の精密な地形データを、ドローン自律飛行や農機具自動操縦の基盤データとして活用などのケースを想定しています。
出所:総務省 「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」最終報告書 2018.7
マーケティング等では、建物の種類や商業施設の稼働状況、周辺の交通状況等を分析してエリア特性を把握し、新規出店の判断や屋外広告の効果測定等に活用などのケースを想定しています。
出所:総務省 「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」最終報告書 2018.7