政府のプラットフォーム型研究開発の推進(仮称・案)とコンテスト型研究開発の推進(仮称・案)について
総務省は2018年5月9日、「ICT分野における技術戦略検討会(第7回)」を開催し、これまでの議論を踏まえた論点整理と推進方策の検討を進めています。
ネットワーク分野における技術動向では、オープンソース化やネットワークのソフトウェア化などが進んでいる中、研究開発の推進の考え方を整理しています。
中長期を見据えた上での喫緊に取り組むべき課題、具体的な推進方策(案) としては、
1)柔軟な支援スキーム、一体的な支援
・研究開発から社会実装までの一体的なプロジェクト推進スキーム、国際共同研究の推進
・挑戦的なテーマ・目標設定の下での研究開発支援スキーム
・「シーズ技術の発掘/育成 ⇒ 事業化 ⇒ グローバル展開」の一体的な推進
2)ネットワーク分野におけるソフトウェア化の進展を踏まえた基盤技術への投資・支援
・通信(Communication)と情報処理(Computing)の融合、「プログラマブル」なシステム構築への対応
・基礎的研究の強化・推進、最先端技術の開発・活用
・OSS(オープン・ソース・ソフトウェア)等に関するコミュニティ形成、戦略的活動
3)人への投資
・研究開発プロジェクトを通じた人材の相互交流、人材活性化
・異分野・異業種の人材の多様性(=アイデアの多様性)の確保
・システム全体のデザイナー/アーキテクトの育成
の3点をあげています。
Society5.0を支える最先端情報通信技術の開発・推進に向けて、Society5.0の実現に向けたサイバー空間とフィジカル空間を結ぶネットワークに対して、高度なサービスを実現するための要求条件が、より高度化かつ多様化しており、これらに応える社会インフラとしての情報通信ネットワーク技術や、データの収集・分析・活用・流通等を支える基盤技術・プラットフォームの開発等が不可欠としています。
また、情報通信分野における技術競争力の源泉が、ハードウェアからソフトウェアに拡大し、オープンソースソフトウェア等の活用が急速に進展する中、挑戦的なテーマ・目標に挑みつつ、研究開発から社会実装までを民間活力も最大限に活用しながら一体的に推進していくことが必要としています。
政府が示す研究開発の推進では、
プラットフォーム型研究開発の推進(仮称・案)とコンテスト型研究開発の推進(仮称・案)の2つをあげています。
プラットフォーム型研究開発の推進(仮称・案)では、、基盤技術の開発と並行して利活用技術の開発を実施する「プラットフォーム型研究開発」(仮称)を推進し、技術開発成果の早期社会実装による社会基盤化を目指しています(2019年度の研究開発プロジェクトから順次着手)。
出所:ICT分野における技術戦略検討会(第7回) 2018.5
コンテスト型研究開発の推進(仮称・案) では、ICTによる革新的な技術のブレークスルーを次々と起こしていくためには、複数のチームが挑戦的なテーマや目標設定の下でゴールを目指して研究開発に取り組む「コンテスト型」の研究開発が有効な推進方策の1つであり、民間活力(資金、人材等)も活用した効果的な実施方策について、2018年度中に具体化を行い、2019年度中のプロジェクト開始を目指していくとしています。
出所:ICT分野における技術戦略検討会(第7回) 2018.5