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宇宙×AIによる4次元サイバーシティの構築と活用イメージ

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総務省は2018年5月17日、「宇宙利用の将来像に関する懇話会(第1回)」を開催し、「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォースの中間とりまとめ」を紹介しています。

そのとりまとめから、宇宙×AIによる4次元サイバーシティの構築と活用イメージを中心に紹介をしたいと思います。

衛星データ利活用ビジネスへの期待の高まっており、衛星データはデータ量の拡大と付加価値の高度化によりビッグデータ化し、地球規模の変化を素早く捉え、ビジネス等における意思決定に資するためにはAI等の技術の活用が不可欠となるなど、宇宙×AIによる価値創造の重要性を指摘しています。

総務省では、宇宙データ(衛星による測位データや観測データ)を活用し、AI解析で変化の自動検出を行うことにより、3次元+時間差分からなる"4次元サイバーシティ "を構築し、4次元サイバーシティと既存のデータとを組み合わせることにより、安心・安全や一次産業、観光等の促進に資する新サービス・新産業を実現していくとしています。

4次元サイバーシティの定義は、衛星データによる3次元空間内の情報の把握1と、AI解析による時間変化の自動抽出等※2により、4次元(3次元+時間軸)的に様々な情報の把握を可能とするものとしています。

4次元サイバーシティの活用イメージは、

・国内外の政府系/民間系衛星から取得できる衛星データを蓄積・随時追加。
・画像解析等の専門知識がなくとも、簡易に時系列変化を抽出 できる解析機能。
・当初は、ニーズのあるサービス・アプリケーションの実現に必要なデータ・機能を具備。
・必要に応じ、複数の衛星からのデータを取得。
・将来的には、複数の事業者により、様々な目的に応じた新しいサービス・アプリケーションの創出が期待。

となっています。活用イメージ図は以下のとおりです。

スクリーンショット 2018-05-23 20.23.08.png

出所:宇宙利用の将来像に関する懇話会(第1回) 2018.5

4次元サイバーシティ実現の方向性は、

①データの範囲
4次元サイバーシティに蓄積するデータセットの範囲

②解析機能と提供方法
様々な目的・事業者に転用するために持つべき機能

③活用領域
4次元サイバーシティの活用ニーズが見込まれる領域

の3点に分類して整理しています。

主要なデータ源は、地球観測衛星を主要なデータ源として想定しており、測位衛星のデータは、4次元サイバーシティの構築においてではなく、個別サービス・アプリケーション側で活用し、通信・放送衛星は、地球観測衛星等のデータの通信路として利用することが適当としています。

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出所:宇宙利用の将来像に関する懇話会(第1回) 2018.5

データの種類は、衛星から捉えられる地球上の事象のうち、3次元空間の把握のために有益なデータが対象とし、物理的形状だけでなく、色や温度などの性質を捉えるのに必要なデータを含めています。

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出所:宇宙利用の将来像に関する懇話会(第1回) 2018.5

データの頻度・精度等は、必要なデータの取得頻度や精度は、個別のニーズやデータの利用条件等により、必要な更新頻度は概ね1日~数日を想定。目的により1時間程度も視野にいれています。

活用領域は、4次元サイバーシティの活用ニーズが見込まれる領域は、多岐にわたっており、当初は、先進的ユースケースのサービス・アプリケーションから、整備するデータや解析機能を絞込んでいくとしています。

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出所:宇宙利用の将来像に関する懇話会(第1回) 2018.5

総務省では、今後、長期的な課題に関するタスクフォースにて、2030年代以降の宇宙利用の将来像、その実現のために必要となる新たな要素技術や研究機関の役割等について、より専門的な観点から検討していくとしています。

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出所:宇宙利用の将来像に関する懇話会(第1回) 2018.5

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