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「2017年版 情報通信白書」を読み解く(5) ポスト・スマートフォン考察

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総務省は2017年7月28日、「平成29年「情報通信に関する現状報告」(平成29年版情報通信白書)」を公表しました。

今回は、「第1章 スマートフォン経済の現在と将来のスマートフォン社会の到来」の ポスト・スマートフォン考察について、まとめてみたいと思います。

白書では、スマートフォンを利用した消費行動は質・量ともの増加により、スマートフォン経済自体は、レイヤー構造で上位に位置するアプリケーション・サービスを中心に更なる進化を遂げていくと考えられるとしています。その一方で、情報端末としてのスマートフォンの出荷台数の伸 び率は急速に鈍化を見せており、2010-11年には58.5% だったスマートフォン出荷台数の年間伸び率は、2015- 16年には1.7%まで低下しており、2017年以降は5%前後で推移していくと予想しています。

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出所:平成29年度版情報通信白書

今後は、ポスト・スマートフォンは、どのようなモノやサービスが牽引をするのか、注目されるところで、白書では、音声データを認識するAIスピーカーの広がりと画像データ活用とAR/VRの取り組みを紹介しています。

AIスピーカー

特に注目度が高いのが、消費者向け用途を意識した展示の中で目立っていたのが、AmazonのECHOやGoogleのGoogle Homeに代表される「AIスピーカー」です。一般家庭用のスピーカーがマイクにもなっており、こうした端末機器と声でやりとりする利用シーンが特徴的となっています。天気やス ケジュール等を教えてくれるパーソナル・アシスタントになり、通信販売の注文窓口、家電製品のコントローラーなど多機能なものが目立っています。

スクリーンショット 2017-07-31 12.55.52.png

出所:平成29年度版情報通信白書

■AR/VR

AR技術では、2017年時点ではゲームやアミューズメント施設などのコンシューマ向けエンタテイメント分野での利用が最も多くなっていますが、サイバー空間とリアル空間とをつなぎ、データ流通を深化させるとともに工事作業や 公共交通機関などでの活用をはじめとしたビジネス面でも価値創出に貢献することが期待されています。調査会社のIDC Japan社の調査によると、2017年の世界のAR/VR技術を用いたサービスの市場規模は 139億ドルで、コンシューマ分野40%、組立製造業10%、小売7.4%、個人向けサービス5.7%等となっています。

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