FinTech社会の実現に向けた道筋、実現すべき社会像、具体的施策
経済産業省は2016年12月12日、「FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合(FinTech検討会合)(第5回)」を開催し、FinTech社会の実現に向けた道筋、実現すべき社会像、具体的施策の検討を進めていますので、概要をご紹介したいと思います。
FinTech:第4次産業⾰命を⽀える新たな「⾦融サービス」のあり⽅では、
「⾦融業」側でなく、⾦融サービスのユーザーである個⼈や企業の⽬線から、その経済活動を⽀える⾦融、⾏政のあり⽅を検討していくとし、以下の4点をテーマとしています。
① 家計(個⼈)の資産形成の充実と消費の⾼度化、活性化
② 中⼩企業等の⾶躍的な⽣産性向上や資⾦調達円滑化といった究極⽬標を掲げつつ、それを⽀える
③ ⾦融機能の強化(例:サービス改善、⽣産性向上・業務効率化)
④ ⾏政の変⾰(例:FinTechの効果を最⼤化する⾏政プロセス変⾰、新たな制度枠組みへの転換)
の実現に向けた課題、道筋、包括的・統合的な⽅策を⽰していくとしています。
FinTechビジョンの⽅向性の構成案では、
1. FinTech の捉え⽅、FinTech がもたらす将来社会像
2. FinTechによる経済的・社会的効果、FinTech社会の実現に向けた道筋
3. FinTech が経済・産業の発展につながるための課題・必要な取組・政策的対応
の3点をあげています。
FinTech社会の実現に向けた道筋では、「個人の生活(家計)が劇的に変わる」「中小企業の収益力が劇的に上がる(生産性革命)」といったところから、様々な革新的なフィンテックサービスが出現するといったように、イノベーション(試行錯誤)を促す仕組み作り・環境整備野重要性を示しています。
出所:経産省 FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合(FinTech検討会合)(第5回) 2016.12.12
実現すべき社会像では、キャッシュレス決済やロボアドバイザーなどを活用して、「キャッシュレスのほうが便利で、お得で、安⼼になる」や「もっと⾝近で⾏き届いた⾦融サービスが受けられる」といった利便性を感じる社会像をイメージしています。
出所:経産省 FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合(FinTech検討会合)(第5回) 2016.12.12
具体的施策としては、
・個⼈データを⾃らの意思で再統合するための制度整備(データ・ポータビリティの検討)
・グループ内・企業間での情報共有の円滑化を促す個⼈情報保護ガイドラインの⾒直し
・電⼦レシートの普及
などをあげています。