クラウド技術用語(5)オープンソースのクラウド技術(全般)
オープンソースのクラウドの関連技術は、クラウド環境を構築するためのオープンソースのソフトウェアです。
世界中の開発者が参加する開発コミュニティであるオープンソースの開発プロジェクトでノウハウを共有し、多くの開発者の貢献により、早い開発スピードでのバージョンアップが進んでいます。
オープンソースベースのクラウド関連ソフトウェアでは、IaaSでは、OpenStackやCloudStackなどに代表されるオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアがあります。
クラウド基盤ソフトウェアは、サーバー、ストレージ、ネットワークなどを統合的に管理し、ユーザーの要求に応じてオンデマンドで指定されたスペックの仮想マシンやストレージ領域を提供するなどのセルフポータルサービス機能を提供します。CMS(クラウドマネジメントシステム)やクラウドOSとも呼ばれています。
PaaSでは、Cloud FoundryやOpenShiftなど、IaaSレイヤーとは独立して機能し、JavaやRuby、Pythonなど複数の開発言語に対応し、オープン標準に準じた開発フレームワークをサポートするオープンソースのPaaS基盤ソフトウェアです。
オープンソースの運用自動化では、ZabbixやNagiosなどに代表されるサーバーの運用監視ツール、Ansible、Puppet、Chefなどに代表されるサーバー構築自動化ツール、複数のクラウドサービスを統合的に管理するScalrやHinemosなどがあります。
ストレージでは、Swift、Ceph、コンテナではDockerやKubernetesなどがあります。
ユーザー企業は、1社のクラウドサービス事業者に依存するクラウドロックインを回避でき、他の事業者への移行やサービスやソリューション連携など、選択肢の幅が広がるといったメリットがあります。
クラウドサービスを提供する事業者にとっては、オープンソースでクラウドサービスやソリューションを提供する機能が揃うソフトウェアを調達することで、ユーザーの高い要求に応えるコスト競争力のあるクラウドサービスを提供することができます。