自治体のドローン規制とドローン活用
自治体では、観光地など人が集まるところでの利用は落下などの危険や、プライバシーなどの問題もあり、条例などでドローンの活用を規制する動きが広がっています。
三重県では、2016年5月に開催されるサミットにおいて、伊勢志摩サミットの危機管理体制を強化するため、ドローンの飛行を関連区域で時限的に禁じる罰則付き条例の骨子案をまとめています
また、北海道、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、山梨県、岐阜県、愛知県、大阪府など、多くの自治体で公園などでのドローンの利用が禁止されています。
一方で、観光や災害対策などでドローンを積極的に活用する自治体も出ています。
■観光での活用
鹿児島県では、観光PR用に、甑島、奄美大島など鹿児島の六つの離島の魅力を国内外に発信するため、ドローンを活用しています。高画質の4Kカメラで4ヶ月かけて空撮し、2015年8月現在で25本の動画を公開しています。
公開しているサイトは、「KAGOSHIMA Energetic Japan」で中国やタイ語などにも対応しています。これまでにないドローン独自のアングルで離島を魅力的かつダイナミックに撮影していることから、動画の再生回数は200万回を超え、自治体が公開する観光PR動画としては異例の再生回数となっています。鹿児島県では、これらの動画公開を通じて、県特産品の販売促進や地場産業の振興につなげていきたいとしています。
KAGOSHIMA Energetic Japan http://kagoshima-trip.jp/
兵庫県篠山市では、日本遺産に認定された篠山市内の史跡や町並みの魅力を映像で紹介するため、ドローン2機の導入し、空撮は民間に委託しています。篠山城跡や、武家屋敷、寺社、古墳などの30カ所を空撮する予定です。自治体のドローン活用は、予算委員会などでも意見が分かれ、安全対策は国のルールを順守し、市独自のガイドラインの策定や、安全手順や市民の利用の指針などについても策定する予定です。
■災害での活用
和歌山県では、災害時における道路寸断や通信の断絶が起きた地区の情報収集に有効とし、災害対策用にドローン1機の導入を進めており、平成27年度当初予算に約900万円を計上しています。
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奈良県橿原市は2015年5月、災害時の被害状況調査にドローンを活用するため、NPO法人「安全安心スカイヘリサポート隊・竜虎」と協定を締結しています。実際に、大規模な地震で家屋が倒壊し、中に人が閉じ込められたとの想定で訓練を実施しています。
香川県観音寺市2015年6月、災害時において、ドローンを活用して被災状況の調査や救助活動に必要な情報収集を行うため、航空写真の撮影などを手掛ける空撮技研と「災害情報の収集協力に関する協定」を結んでいます。
■その他
そのほか 文化財など老朽化した建造物の点検などが考えられるところです。