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無人飛行機(ドローン)の飛行禁止空域および飛行方法の規制を定めた航空法の改正案の閣議決定について 〜航空法の一部を改正する法律案から〜

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政府は2015年7月14日、無人飛行機(ドローン)の飛行禁止空域および無人飛行機(ドローン)の飛行方法などの規制を定めた航空法の改正案を閣議決定しました(国土交通省発表資料)。

背景には、

昨今、無人航空機が急速に普及しており、今後、様々な分野で活用されることで、新たな産業・サービスの創出や国民生活の利便や質の向上に資することが期待される一方、落下事案が発生するなど、安全面における懸念が高まりつつある。
 そのため、国際的な状況も踏まえ、まずは緊急的な措置として、基本的な飛行のルールを定めることが必要である。
 なお、無人航空機は、今後より一層の活用を期待されていることから、今後、技術の進歩や利用の多様化の状況等を踏まえ、関係者との十分な調整の上で、無人航空機の機体の機能や技量の確保、無人航空機を使用する事業の健全な発展等を図るために必要な措置を講じるものとする。

とあるように、ドローンの活用は撮影や農薬散布、インフラ 点検などのさまざまな分野での利用がひろがり、新たな産業創出などが期待されるものの、首相官邸での落下事件など安全面などが懸念されており、ドローンの飛行の禁止空域や無人 航空機の飛行の方法を定めるなどの措置を講ずる必要が出てきていることがあげられています。

今回の法案の改定で定義されている無人飛行機とは、

航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)

としており、構造上人が乗ることができず、遠隔操作や自動操縦ができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器となっています。

今回の航空法の改定案の概要は、以下のとおりとなっています。

(1)無人航空機の飛行にあたり許可を必要とする空域

 以下の空域においては、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機を
飛行させてはならないこととする。

 [1] 空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域
 [2] 人又は家屋の密集している地域の上空

(2)無人航空機の飛行の方法

無人航空機を飛行させる際は、国土交通大臣の承認を受けた場合を除いて、以下の方法により飛行させなければならないこととする。
 [1] 日中において飛行させること
 [2] 周囲の状況を目視により常時監視すること
 [3] 人又は物件との間に距離を保って飛行させること
 [4] 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること
 [5] 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。

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出所:国土交通省 航空法の一部を改正する法律案について 2015.7.14

(3)その他

[1] 事故や災害時の公共機関等による捜索・救助等の場合は、(1)(2)を適用除外とする。
[2] (1)(2)に違反した場合には、罰金を科す。

最後の(6)附則関係 検討には、

政府は、無人航空機に関連する技術の進歩の状況、無人航空機の利用の多様化の状況その他の事情を勘案し、無人航空機の飛行の安全に一層寄与し、かつ、無人航空機を使用する事業の健全な発展に資する方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

とあるように、ドローンの活用による健全なビジネスの発展につながる法案として、展開されることが期待されるところです。

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