日本版「ITダッシュボード」からみる政府の取り組みへの評価
政府のIT総合戦略本部は2014年7月4日、各府省が保有する情報システム数や情報システムに関する予算などをわかりやすくグラフで表示するウェブサイト「ITダッシュボード」を公開しました。(関連リリース)。
本サイトは、IT総合戦略本部が2012年7月4日に策定した「電子行政オープンデータ戦略」を踏まえ、すべてのデータを二次利用できるオープンデータとしてCSVおよびWeb APIでも提供しています。
米国連邦政府の取り組み
米連邦政府では、早くから「IT ダッシュボード」に取り組んでおり、約5年前の2009年6月に開設し、連邦政府のIT予算の執行状況をカラーでビジュアル化した情報を提供しています。
「IT ダッシュボード」では、どのITプロジェクトが予定から立ち遅れているか、どのプロジェクトが採算を下回っているかといったコスト、スケジュール、CIO評価 (リスク管理、要件管理など)の3つの要素で評価した結果が表示され、米連邦政府のIT予算の執行状況の詳細を把握することができ、国民が監視できるようになっています。
https://www.itdashboard.gov/trends
日本版「ITダッシュボード」
今回の「ITダッシュボード」は、米国連邦政府の取り組みを参考とした日本版「ITダッシュボード」として位置づけられています。政府が本サイトを開設した背景には、2013年6月14日に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」において、ITガバナンスの強化、攻めのIT投資と無駄の徹底排除、政府全体を通じた戦略的なIT投資管理の実現を目指しており、その施策の一つとして、日本版「ITダッシュボード」 の整備を進めています。「ITダッシュボード」はオープンソースソフトと富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」を組み合わせて開発しています「。
「ITダッシュボード」の概要
「ITダッシュボード」は、大きく分けて、政府の様々な取組の進捗状況や成果を確認できる「各種施策の状況」、システム数や予算額などの情報を、組織、状況、業務区分、重点区分や時系列などを掲載した「統計情報」、データをCSV、WebAPIで提供する「データ取得」の3つ項目に分けられています。
政府オープンデータ・ビッグデータの活用推進状況
施策の状況では、「オープンデータ・ビッグデータの活用の推進」の状況評価を見てみましょう。公共データの民間開放(オープンデータ)の推進では、評価は晴れとくもりとなっています。
http://www.itdashboard.go.jp/Achievement/index#100
データカタログサイト試行版におけるデータセット・リソース数は、データカタログサイト『DATA.GO.JP』(試行版)に登録されているオープンデータ(2014年3月末時点)について、項目ごとのデータ数を表示すると以下のとおりとなります。
公開されているデータとしては、国土交通省が2697と最も多く、項目別では、予算、決算、調達関連情報が33%を占めています。
http://www.itdashboard.go.jp/Public/opendataPropulsion#100
データの形式では、PDFが40.6%を占めており、XMLやRDF等の機械判読可能なデータでの掲載が増えていくことが期待されます。また、日本語が96.9%を大半を占めており、海外からの利用も考えると、英語でのデータ掲載の充実が期待されるところです。
http://www.itdashboard.go.jp/Public/opendataPropulsion#100
政府の情報システムなどの統計情報
次に、統計情報を見てみましょう。政府情報システム改革ロードマップ(2013年(平成25年)12月26日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)に記載されている情報システム数の集計結果は以下のとおりとなっており、国土交通省が295、厚生労働省が251と続いています。
http://www.itdashboard.go.jp/Statistics/system#200
情報システム分類別では、情報提供系システムが385と最も多く、内部管理業務系システムが312と続いています。
http://www.itdashboard.go.jp/Statistics/system#200
システムアーキテクチャ分類別システム数では、クライアントサーバ型(Webサーバ型を除く)が41.7%の550と最も多く、Webサーバ型が40.9%の540と続いています。
データ取得
本サイトでは、扱うデータはすべて、http requestに対して、JSON又はJSONP形式による機械判読可能な形式でデータを提供するWeb APIで提供しており、二次利用ができる環境となっています。
Web APIのコマンドと一覧も掲載されています。
http://www.itdashboard.go.jp/DataFeeds/webapi#300
jQueryを用いたサンプルコード
<!doctype html> <html> <head> <meta charset="utf-8" /> <title>Sample</title> <script src="//code.jquery.com/jquery-1.11.0.min.js"></script> <script> $( document ).ready(function() { var itdbdApi = "http://www.itdashboard.go.jp/PublicApi/getData.json"; $.ajax({ url: itdbdApi, jsonp: "callback", dataType: "jsonp", data: { dataset: "BasicInformation", year: "2013", field: "organization,system_name", system_class: "情報処理システム" } }) .done(function( data ) { var items = []; $.each( data.raw_data, function( i, item ) { items.push( "<li id='" + i + "'>[" + item.organization + "] " + item.system_name + "</li>" ); }); $( "<ul/>", { html: items.join( "" ) }).appendTo( "body" ); }); }); </script> </head> <body> </body> </html>
http://www.itdashboard.go.jp/DataFeeds/webapi#300