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世界最先端IT国家創造宣言 改定(案)の主な改定項目(東京オリンピック・パラリンピック機会の機会を捉えた最先端の IT 利活用等)

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IT総合戦略本部は2014年6月3日、「世界最先端IT国家創造宣言 改定(案)に対する意見募集について」を公表しました。

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出所:世界最先端IT国家創造宣言 改定(案)に対する意見募集について 2014.6.3

主な改定項目では、東京オリンピック・パラリンピック等の機会を捉えた最先端の IT 利活用に よる「おもてなし」の発信や、オープンデータ活用、パーソナルデータなどがあげられています。

以下、主な改定項目を引用し、自分なりの意見を少し整理してみたいと思います。

(1)オープンデータ・ビッグデータの活用の推進

① 公共データの民間開放(オープンデータ)の推進 の主な改定項目

2014 年度から本格運用を開始し、民間のニーズ等を踏まえ、当該サイトの掲載データを充実させる。

各府省庁の Web サイトで提供するデータベースについて、API 機能の整備を利用ニーズの高いものから優先的に進め、政府等で提供する APIを紹介し、その機能や利用方法を解説するAPI の総合カタログを提供する。

地方公共団体については、その保有する公共データ等の流通・連携・利活用を効果的に行うための技術の開発・実証、観光等の公共データを一元的にオープン化する基盤の構築、地方公共団体における取組に関する考え方の整理等により、オープンデータの取組を促進する。

オープンデータに関しては、一時期オープンデータカタログサイト(試行版)の閉鎖などもあり、民間によるミラーサイトなどが立ち上がったことから、民間ニーズを考慮した項目が盛り込まれています。

また、オープンデータより活用しやすくするためのAPIの総合カタログの提供や、地方公共団体への取り組み推進といった内容も盛り込まれています。

② ビッグデータ利活用による新事業・新サービス創出の促進

番号制度における「特定個人情報保護委員会」の機能・権限の拡張などの整理を踏まえた第三者機関(プライバシー・コミッショナー)の体制整備、個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータの個人情報及びプライバシー保護への影響に留意した取扱いなどを含む「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針(2013 年 12 月 IT 総合戦略本部決定)」を踏まえ、法改正の内容を大綱として取りまとめ、2015 年通常国会に関連法案を提出する。

パーソナルデータの取り扱いについても、いろいろと検討が進められており、「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針(2013 年 12 月 IT 総合戦略本部決定)」などを踏まえた取り組みが盛り込まれています。

(3)幅広い分野にまたがる起業家精神の創発とオープンイノベーションの推進等

このような取組を統合して実施すべく、起業家精神を創発するための IT 関連施策パッケージ(「アントレ×IT パッケージ(仮称)」)として速やかにとりまとめ、これを広く社会に展開すべく、推進するものとする。

スタートアップ企業支援では、「起業家精神」というキーワードが新たに5回も登場しているなど、起業家育成への政府の意気込みを感じ取ることができます。

(6)東京オリンピック・パラリンピック等の機会を捉えた最先端の IT 利活用による「おもてなし」の発信

本戦略の目標年である 2020 年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、国内外から多数の観光客等が見込まれるところ、観光情報等のオープンデータの利用促進、4K、8K 等の次世代放送・通信サービス、デジタルサイネージ、世界最先端の ITS による道路交通サービス、無料公衆無線 LAN 等の低廉で快適に利用できる通信ネットワークインフラの推進、言葉の壁をなくす多言語音声翻訳システムの高度化や、ID 連携トラストフレームワークの整備等について、サイバーセキュリティの確保を図りつつ、最先端の IT 利活用による「おもてなし」を提供し、広く世界に発信することにより、IT 利活用の裾野を拡大するとともに、産業競争力の強化を図る。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い、観光情報等のオープンデータ活用や、4K、8K 等の次世代放送・通信サービスなどの項目が盛り込まれています。2020年までには、新しいテクノロジーや新たな活用シーンが多く出てくることでしょう。

3.公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現

導入に向けた取組が進められている番号制度は、国・地方の行政機関等による正確かつ迅速な情報の確認(名寄せ・突合)を可能とする「マイナンバー」「法人番号」、実社会やオンラインの本人確認手段となる「個人番号カード」、自己情報の閲覧等を可能とし、暮らしに係る利便性の高い官民のオンラインサービスの提供等も視野に入れた「情報提供等記録開示システム」という、今後の IT利活用の基盤となるインフラを提供

(1)利便性の高い電子行政サービスの提供

「オンライン手続の利便性向上に向けた改善方針」(平成 26 年4月 1 日各府省 CIO 連絡会議決定)、及び「行政分野におけるオープンな利用環境の整備に向けたアクションプラン」(平成 26 年 4 月 25 日各府省 CIO 連絡会議決定)を踏まえた取組を推進

政府の情報システムについては、個人番号カード等による本人認証を一括して行える認証プラットフォーム(仮称)の構築に向けて検討し、システム間のシームレスなアクセスを実現するほか、 情報提供等記録開示システムについては、スマートフォン、タブレット端末やCATV など、多様なチャネルで利用可能とするとともに、その機能を拡大し、プッシュ型・ワンストップサービスなど、暮らしに係る利便性の高い官民のオンラインサービスを、本人確認の連携等によりシームレスに利用し、電子的に完結させることを可能とする「マイガバメント(仮称)」を実現する。

個人番号カードについては、その IC チップの空き領域や公的個人認証サービス等を活用し、公的サービスや国家資格等の資格の証明等に係るカード類の一体化/一元化、個人番号カードで利用できるコンビニエンスストアでの住民票の写し等の交付等のサービスの拡大、放送・通信分野等における個人番号カードの民間利活用場面の拡大、実社会における対面及びオンライン上の非対面での本人確認手段としての利活用場面の拡大や、取得に係る負担の軽減等により、広く普及を図る。 法人番号については、行政機関が法人に係る情報を公開する際の併記や、既存の法人に係る各種の番号との連携により、法人に係る情報についての検索・利用を容易にし、その利用価値を高めるとともに、法人に係るワンストップサービス等を実現するために必要な「法人ポータル」を構築する。

マイナンバーによる情報連携等により、更なる効率化・利便性の向上が見込まれる分野については、制度の趣旨や個人情報の保護等に配慮しつつ、マイナンバーの利用範囲の拡大や制度基盤の活用について検討を進める。

マイナンバー等の活用とともに、「情報提供等記録開示システム」、「認証プラットフォーム(仮称)」、「マイガバメント(仮称)」、「法人ポータル」などは今後注目すべきキーワードと取り組みとなっていくでしょう。

(2)国・地方を通じた行政情報システムの改革

政府共通プラットフォームについて、開発環境やリモート・デスクトップ機能など、政府のプライベートクラウドとしての環境及び機能を整備し、その充実を図る。また、政府情報システムの見直しにおいては、政府共通プラットフォームの活用のほかパッケージソフトウェアの利用も推進する。さらに、民間クラウドサービスの利用に関する基準の整理を行う。

大規模なシステムについては、政府 CIO によるレビュー等を通じて、運用コストの大幅な削減を図るとともに、利用者視点や業務改革(BPR)を踏まえた、より付加価値の高いシステムへと再構築するための戦略的な取組を推進する。 なお、全国一律の業務・システム内容である地方公共団体等の情報システムについては、適切な費用分担の下、各府省庁による一元的な開発・調達を実施し、それを全国的に共用するなどシステム整備・運用の効率化を推進する。

地方公共団体における取組を加速する(クラウド化市区町村の倍増を目指す)。さらに、国の「政府情報システム改革ロードマップ」の進捗を受け、地方公共団体の情報システム改革を推進する。これらの取組により、地方公共団体の情報システムの運用コストを圧縮する(3割減を目指す)。

府省共通システムの調達等に当たっては、政府 CIO の責任の下、仕様の検討等を行うための体制整備を行う。また、システム要求仕様の府省庁側での作成・明確化、・・・

行政情報システムで、目につくのはクラウドの活用によるコスト削減や業務効率の向上で、「民間クラウドサービスのりように関する基準の整理を行う」と記載されているように、今後、民間事業者のクラウドサービスの採用が進む可能性は十分に考えられるでしょう。

3.サイバーセキュリティ

政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群」(平成 26 年5月 19 日同会議決定)及び「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第3次行動計画」(平成 26 年5月 19 日同会議決定)等の着実な実施、人材の育成や今後の情報通信技術の利活用を見据えた対策等

3.規制改革と環境整備

番号制度における「特定個人情報保護委員会」の機能・権限の拡張などの整理を踏まえた第三者機関(プライバシー・コミッショナー)の体制整備、個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータの個人情報及びプライバシー保護への影響に留意した取扱いなどを含む「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針(2013 年 12 月 IT 総合戦略本部決定)」を踏まえ、法改正の内容を大綱として取りまとめ、2015 年通常国会に関連法案を提出する。

2014 年以降に、大綱に基づいた関連法案の成立・施行に関する状況を踏まえ、国際的な連携にも配慮しつつ、順次パーソナルデータ利活用環境を整備し、利活用を促進する。

2013 年 12 月に IT 総合戦略本部決定された「IT 利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」に基づき、内閣官房、関係省庁は、IT 利活用の裾野拡大を阻害する制度の見直し等を実施する。加えて、スマートフォン/タブレットの普及や通信の高速化といった社会環境の変40化の下で、対面・書面原則の見直し等を含めて、IT によるコミュニケーションの利点を最大限に活用できるような制度への見直しを進めるための指針(「IT コミュニケーション導入指針(仮称)」)を 2015年上期までに策定する。

その他には、

スーパーコンピュータ等による高度なシミュレーションを利用した事前の精緻な地震・津波被害予測

HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)から得られる電力利用データを活用した生活支援サービスの創出へ向けた環境整備

2020 年の東京オリンピック・パラリンピックにむけて、世界最先端のITSを構築し、世界に発信するための検討

2020 年を目標年次とする国家公務員のテレワークに係るロードマップを策定し、テレワークを社会全体へと波及させる取組

2020 年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、訪日する外国人にも使いやすい無料公衆無線 LAN 環境の整備をはじめとする低廉かつ快適な通信利用環境の実現を図る。

などがあげられてます。

いずれにしても、2020 年東京オリンピック・パラリンピック開催における活用が一つのゴールにした取り組みの記載が顕著となっており、その動きから行政サービスの改善や、新たなビジネスの創造につながることが期待されるところです。

 

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