オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

「SoftLayer ブロガー・ミートアップ」に参加して

»

2月13日(木)の「Developers Summit 2014 」の終了後、目黒駅近くのイベントスペースGOBLINで「SoftLayer ブロガー・ミートアップ」が開催され、ブロガーとして参加をしてきました。

今回の「SoftLayer ブロガー・ミートアップ」では、クリエーションライン社に所属し、SoftLayerエバンジェリストである浦底 博幸氏が、コーディネータをされています。

image

SoftLayerで開発コミュニティ向けの啓発活動のリーダーでディベロッパー・アドボケイトのフィル・ジャクソン(Phil Jackson)氏が来日され、SoftLayerのサービス概要や取り組みについて、ご紹介をいただきました。

SoftLayerは2005年に設立され、設立時に「イノベーション」、「エンパワーメント」、「インテグレーション」の3つの方針を掲げ事業を展開しています。そして、2013年7月にIBMがSoftLayerを買収をしています。

image

SoftLayerは、仮想サーバーだけでなく、ベアメタルサーバの物理サーバを提供しているのが大きな強みになっています。「Developers Summit 2014 」でSoftLayerの説明員の方にお話をお伺いしたところ、物理サーバの作成には(各データセンターには担当者が24時間365日常駐しており)、早い時は1時間ちょっと、通常で数時間程度で組み立てられるようです。

AWSとの差別化戦略では、AWSはベアメタルが提供できていない点がSoftLayerの優位点になるという点も話をされていました。

データセンターは、現在、グローバルの7つの地域に13の「Pod」を設置しており、データセンター間は高速の専用線で無料接続し、海外からも低遅延な環境で利用できる環境で、IPv6にも対応しています。

IBMは2014年1月17日、グローバルクラウドの拡充に12億ドルを投資し、日本を含む世界40カ所のデータセンターを設置することを発表しており、今後SoftLayerを核にさらに事業を拡大していくことが予想されます(ニュースリリース)。

image

SoftLayer APIは、1600のファンクションに対応し、REST, SOAP, XML-RPCなどにも対応し、カスタマーポータルもスマートフォンやタブレットなどマルチデバイスでAPIで制御可能とのことです。

image

すでに21,000以上のユーザで利用しており、優良事例としてシトリックス社のバーチャルデータセンタの取り組みが紹介されていました。

image

最後に、スタートアップを支援する「Catalyst Startup Program」が紹介されています。メンターによる支援など、かなり充実した支援プログラムが用意されているようで、北米ではかなり盛り上がっていようで、日本のマーケットでどこまで力をいれていくのかが、注目されるところです。

image
http://www.softlayer.com/partners/catalyst

最後に数十分の質問時間があり、OpenStackとの関わりや、技術的な質問が多くを占めました。私からは、SoftLayer 本社として、日本市場をどのようにみており、日本のデータセンターからのサービス提供を決定した背景などについて質問をさせていただきました。

image

SoftLayerのVice Presidentである担当者の方からは、日本には潜在的なニーズの独特のマーケット市場があり、クリエーションラインなどパートナー事業者と連携し、日本市場にあわせた日本語対応など、カスタマイズ対応をしていくことで、日本市場のニーズにあわせて積極的な投資も含めて対応をしていくということも印象的でした。

日本のデータセンターについても2014年度中に開始することも明らかにしており、日本データセンターからのサービス提供は日本市場とクラウド業界にとっては大きなインパクトがあると考えています。

最後は、懇親会の中で、SoftLayerのマーケティング担当者、SoftLayer営業部、クラウドマイスターを含む技術支援の方など、さまざまな立場でSoftLayerの業務に関わる方々と、大変参考になる情報交換をさせていただきました。

image

IBMでは、SoftLayerの買収とともに、データセンターへの投資と日本国内のDCからの提供、x86サーバの売却などから、クラウドを一つのコアビジネスとして大きく舵をきってきているという印象を持ちました。すでに、数百名の社員がSoftLayerのプレゼンやデモができ、IBM社員のSoftLayerを提案する機会も急速に増えてきているようです。

特に、ベアメタルサーバはエンタープライズ分野にもニーズが高いと考えられ、これまでのソーシャルやECサイトの基盤の実績のみならず、IBMの営業力を活かしたアプローチは、日本国内のクラウド市場にも大きな影響力をもたらす可能性があります。

一方、SoftLayerのユーザの対象は、エバンジェリストやコミュニティとの関わり、スタートアップ支援、エコシステムの構築などを通じて、IBMがこれまであまり関わりのなかった分野へのアプローチが重要となると考えています。

SoftLayerが、これらのクラウドエコシステムを構築し、日本市場でシェアを伸ばしプレゼンスを高めていくためには、IBMが従来強みとしていたアプローチの破壊と創造が一つの鍵になっていくのではないかと感じているところです。

 

Comment(0)