政府情報システムの改革ロードマップとクラウド化
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)は2014年1月23日、「第5回電子行政分科会」を開催しました。本分科会では平成25年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」の方針をもとに、政府情報システム改革ロードマップ、投資計画、業務・最適化計画を示しています。
政府では、2013年度中に政府情報システムの改革ロードマップを策定し、2018年度には約1500のシステムを半減させ、2021年には運用コストを3割削減することを目標としています。
出所:IT総合戦略本部 第5回電子行政分科会」
基本的な考え方として、以下の5つを示しています。
統廃合・クラウド化の徹底
・出先機関等の類似システムの統廃合、政府共通プラットフォームへの集約化(クラウド化)運用コスト削減
・原則クラウド化。クラウド化が当面見込めないシステムは統廃合・独自の刷新により3割減を目指すスタンドアロンPCの廃止・縮小
・廃止又は府省内LANで代替 (※8割減少の見込み)クラウド基盤の強化・情報セキュリティの向上
・政府共通プラットフォームの機器等拡充・拠点分散化、各システムの情報セキュリティ向上により耐災害性・安定性を強化業務改革(BPR)の徹底
・各システムの更改時期等に合わせて行政サービスの向上や行政運営の効率化・スリム化を推進
政府は、2018年度までに情報システムを619まで減少させ、252の情報システムを政府共通プラットフォームに集約化することを目指しています。
出所:IT総合戦略本部 第5回電子行政分科会」
政府の省庁別の情報システムの内訳は以下のとおりとなっており、厚生労働省は2012年度の283のシステムから2018年度には89までシステムを削減予定です。また、国土交通省は2012年度の293のシステムのうち、54を政府共通プラットフォームへ移行予定となっています。
出所:IT総合戦略本部 第5回電子行政分科会」
政府の主要システムで年間運用経由が10億円以上の58システムの運用経費は以下のとおりとなっています。
これらのシステムの運用経由は、政府全体の運用経由の4144億円のうち79%を占める3259億円となっています。これらのシステムの運用効率を高めた対応が重要となっています。
政府情報システムの主な投資計画は
<1>社会保障・番号制度の導入に係る投資
<2>府省共通システムの整備・導入に係る投資
<3>政府共通プラットフォームの整備・移行等に係る投資
<4>情報システムの統廃合に係る投資
があげられており、中でも社会保障・番号制度に関わる投資が政府情報システムの改革において重要な位置づけを占めていくことになるでしょう。