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「総合特区」創設に向けた今後の展開について

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政府の国家戦略室は2011年7月11日、「第11回 新成長戦略実現会議」を開催しました。

議題は、「成長型長寿社会・地域再生の実現に向けて」です。人口減少社会を迎える中、労働力、産業、地域などにおいての衰退が懸念され、これらの課題をいかに克服していくかが、今の日本にとって重要な課題となっています。

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特に地盤沈下が激しいのが地域です。地域においては、就業機会の創出や経済基盤の強化、地域コミュニティを支える生活環境の向上など、地域の活力の再生をいかに進めていくべきかが、ポイントとなっています。

今回の震災の影響で、被災地の復興を日本再生の先駆例として、以下の方向性が示されています。

  • 世界を先導するようなコンパクトシティの推進
  • 健康・医療・介護サポート、モビリティ等を確保した地域包括ケアによるエイジング・イン・プレイスの実現
  • 子育て家庭への総合支援や、大学等を活用したまちづくりの推進
  • 地域の資源・創意工夫を生かした雇用創出・人材育成
  • 観光振興等による交流人口の拡大、エネルギー自立型農山漁村の形成、中小企業の振興 など

これらのまちづくり等を総合的に支援するため、総合特区制度の活用や地域再生制度の見直し等により、地方や大都市の再生を推進していく必要があるとしています。

今年の1月「新成長戦略の柱の一つ「国際戦略総合特区」と「地域活性化総合特区」は7月にも創設。「クラウド特区」は?」のブログを書かせていただきましたが、震災前の計画では、7月にも特区が創設される予定でしたが、震災などの影響により、遅れが生じています。

第11回 新成長戦略実現会議」では、地域活性化担当大臣が片山 善博氏が特区創設に関する概要と今後の予定などを明らかにしています。総合特区は、「国際戦略総合特区」と「地域活性化総合特区」の2つのパターンで、震災前の資料を比べる限りは、記載されている内容はほぼ同じと想定されます。

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総合特区の管轄をしている政府の地域活性化統合本部では、「総合特区」制度設計のための提案プロジェクト等の取組の現状及び今後の予定に関する調査を震災前に実施しており、震災後の提案内容や優先度は大きく変わっていくことが予想されます。

個人的に注目しているのは、「総合特区での「データセンター特区」の提案状況について」などのブログでご紹介をさせていただきましたが、「クラウド特区」や「データセンター特区」とも言われた、データセンター関連の提案がどこまで、特区として認定されるかどうかというところです。

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また、「環境未来都市」構想についても以下のとおり示しています。今年の3月に「日本の未来都市づくりを考える(「未来都市モデル」構想/「環境未来都市」構想/「総合特区制度」から)」というブログを書かせていただきましたが、概ね方向感は変わっていないと思われます。

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総合特区などに関する今後のスケジュールは以下のとおりです。総合特区では、6月22日に法案が成立し、7月に基本方針の決定・公表をし、その後総合特区の指定申請を受付け、12月に総合特区の一次指定、そして2012年から総合特区計画の認定というスケジュールとなっています。

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6月22日には、総合特区法案が成立しています。地域の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国の施策の「選択と集中」の観点を最大限活かすため、規制の特例措置及び税制・財政・金融上の支援措置等を総合的な政策パッケージとして実施するとしています。スキームは以下のとおりとなります。

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総合特区が実現するまでのプロセスは、

① 総合特区に向けた「地域協議会」の組織
② 総合特区の指定申請規制・制度改革の提案
③ 総合特区の指定「推進方針」の共有
④ 「国と地方の協議会」の設置・開催
⑤ 特例措置の制度化と活用

といったように、非常に複雑な流れとなっているように見受けられます。

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これらの取り組みについてのパブリックコメントの募集は、7月21日まで意見を受け付けています。

また、7月に入ってからは、総合特区説明会を全国ブロック別に開催しています。

総合特区に関しては、なかなかわかりにくいところがありますが、政府も6月22日に総合特区制度に関するパンフを作成しています。

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特区制度に関しては、全国を対象としており、特に地域活性化総合特区は、各県に1案件が認定される方向であると震災前には、新聞記事などに書かれていました。今回の震災により、特に東北復興が最重要課題と鳴っている中において、総合特区が復興にあたってどのような位置づけとなり、予算が配分されるのか、一度事業仕分けにあったこともあり、今後の特区創設に向けた展開は、特に注視していきたいと考えています。

 

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