LTEのこれから
先日の「CEATEC JAPAN 2010」でNTTドコモのブースに行った際に、第3.9世代のLTE(Lomg Term Evolution」規格の新サービスの名称「Xi」(クロッシィ)」が大々的に展示されていました。
「Xi」は、2010年12月中にもサービス開始が予定されており、伝送速度は、下り最大75Mビット/秒、上り50Mビット/秒を目標としています。これまでのFOMAと比べると、通信速度は10倍以上早く、遅延時間が4分の1と短くなります。通信品質の向上は特に、企業にとってはメリットの大きいものとなるでしょう。
12月の時点では、USB型などのデータ通信専用機種の販売のみで、通常の携帯電話やスマートフォンの端末での販売については、2011年度の秋冬モデルで発売が予定されています。
NTTドコモの方針では、2010年~20102年の3年間で3,000億円程度を投資する方針を明らかにしており、2011年の3月の時点で、東京、大阪、名古屋等の都市圏で人口カバー率7%、2012年3月には、県庁所在地級の都市で20%、そして2013年には人40%、2015年春には51%を目指しています。当初の計画よりも前倒しとなっているものの、LTE対応のスマートフォンが登場しても、当面3Gとの併用が大前提となります。
国内の通信事業者も同様にLTEのサービスの提供を予定しています。イー・モバイルが積極的な対応を進めており、総務省のLTE基地局の開設計画では、2015年3月に、人口カバー率75.3%を目指しています。また、KDDIにおいては、2012年12月に800MHz帯でのサービスの開始を予定しており、2014年には、現行サービスと同程度のエリアに拡張する予定です。ソフトバンクの場合は、LTEには積極的ではなく、2013年頃の開始を予定しており、現行の3Gの延長でHSPA+で運用する計画をたてています。現在、特にiPhoneの影響により、都内では電波がつながりにくい状況となっていますが、「電波改善宣言」をし、基地局倍増の12万局を目指しています。
LTEは、エリア拡大に時間を要すことなどの問題点はありますが、今後企業においては、LTEによる従来の3Gと比べて高速・高信頼・高品質であり、シンクライアント端末やスマートフォンなどで外出先からの業務やクラウドサービスの活用ができるため、採用が進むことになるでしょう。
また、個人での利用においては、スマートフォンやタブレッドなどの端末の多様化、そして、iPadに代表されるタブレットの登場により、外出からクラウドサービスの利用や電子書籍コンテンツや動画にアクセスする機会も多くなるでしょう。
モバイルデバイスの進化とLTEによるモバイルブロードバンドの高速化によって、様々なビジネスが創出されることが期待されるところです。