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グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォースの報告書と今後について

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総務省は、4月1日、グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース「政策決定プラットフォーム」 (第2回会合)の会合を開催しました。「政策決定プラットフォーム」は、タスクフォースの「過去の競争政策のレビュー部会」、「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」、「国際競争力強化検討部会」、「地球的課題検討部会」の四つの部会の座長、副座長と、総務大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役で構成する政策決定を担う最高機関です。

過去の部会から提示されたポイントを少しまとめてみたいと思います。

過去の競争政策のレビュー部会   

  1. ブロードバンドの普及政策    
    2010年度までに、全国ブロードバンドの利用環境が整備される見込みであるが、世帯普及率は約30%にとどまっている状況で「コンクリートの道」から「光の道」の理念のもとで、実現に向けた方策を検討することが必要ではないか
  2.    
  3. ユニバーサルサービス制度    
    ユニバーサルサービスの対象をこれまでの電話からブロードバンドにすることについて検討することが必要ではないか
  4.    
  5. 接続政策・ドミナント規制    
    FTTH市場では、NTT東西のシェアが約74%を占めており、構成競争環境整備のあり方を検討することが必要ではないか
  6.    
  7. 料金政策    
    携帯電話の料金については、固定電話に比べて高く、複雑な料金設定で、利用者が適切な料金プランを選択できないのではないか
  8.    
  9. モバイル市場の活性化    
    日本の携帯電話端末の国際競争力が低い要因の一つに、SIMロックの解除がなされておらず、相互連携・オープンを進めることが必要ではないか
  10.    
  11. 消費者の権利確保    
    ライフログの活用サービス等について、個人情報保護の関係を整理しつつ、新サービスの展開の円滑化を図ることが必要ではないか
  12.    
  13. NTTの在り方    
    今後、タスクフォースで、NTTの在り方についても検討を深める必要があるのではないか
 

電気通信市場の環境変化への対応検討部会

豊かなICT社会実現のための5原則(案)として以下の5つを提示

  1. 全ての国民は、いつでもどこからでも安価なブロードバンドサービスを利用することができる。    
    (ユニバーサルアクセスの原則)
  2.    
  3. 全ての国民は、多様な事業者により提供される多様なサービスを公平に利用することができる。    
    (イコールアクセスの原則)
  4.    
  5. 全ての国民は、より豊かで幸福な生活を送るために、あらゆる分野でICTを活用したサービスを利用することができる。    
    (コンビニエントアクセスの原則)
  6.    
  7. 全ての国民は、ICTの発展の恩恵を十分享受し、安心・安全にサービスを利用することができる。    
    (セキュアアクセスの原則)
  8.    
  9. 全ての国民は、技術革新の成果を通じて提供される最先端のICTサービスを利用することができる。    
    (イノベーションアクセスの原則)
 

国際競争力強化検討部会

重点推進プロジェクトとして以下の4つを提示

  1. ICTグリーンプロジェクトの推進
  2.    
  3. 「次世代社会インフラシステム」のアジア展開
  4.    
  5. デジタルネイティブ世代のパワー等を活かした新事業の創出支援
  6.    
  7. デジタルコンテンツ創富力の強化

連携推進体制は以下の3つを提示   

  1. ICTグローバル・コンソーシアム体制の確立
  2.    
  3. アジア連携ネットワーク基盤の構築
  4.    
  5. ファイナンス面での支援の充実・ODA資金の活用

技術戦略は以下の2つを提示

  1. 研究開発戦略
  2.    
  3. 国際標準化戦略

行動計画は以下の2つを提示

  1. 施策展開に向けた工程表(ロードマップ)の策定
  2.    
  3. 新成長戦略・スマートクラウド戦略の策定

地球的課題検討部会

重点分野①:環境

  • 「Green of ICT」「Green by ICT」の推進
  •    
  • ICTによる「緑の分権改革」の実現
  •    
  • 国際貢献・協調策・世界標準化の推進

重点分野②:医療

  • 遠隔医療等の推進
  •    
  • 先進的な医療システム等の国際展開

重点分野③:教育

  • ICTによる教育改革(「協働教育」)の早期実現
  •    
  • ICT教育改革に向けた「教育クラウド」の構築

横断的視点①:地域の絆の再生

  • ICTによる「知」の集積と共有を通じた地域活性化、地域による人材育成
  •    
  • 地域における安心な暮らしを実現するためのICT利活用モデルの構築
  •    
  • ICTの利活用を阻む制度見直し
  •    
  • 高齢者やチャレンジドへの配慮がなされる社会の構築

横断的視点②:「人」中心の技術開発

  • 「夢」のある研究開発プロジェクトの実施
  •    
  • 安心な暮らしの実現に向けた研究開発プロジェクトの実施

行動計画

  • 施策展開に向けた工程表(ロードマップ)の策定
  •    
  • 新成長戦略・スマートクラウド戦略の策定

以上です。

国際競争力強化検討部会と地球的課題検討部会では、ロードマップの策定と、新成長戦略とスマートクラウド戦略の策定が行動計画として入っています。先日、IT戦略本部より、新IT戦略の骨子も公表されていますので、新成長戦略、IT戦略の骨子、スマートクラウド戦略の3つの戦略が今後の情報通信政策の方向性を示すものとなるでしょう。 


今後は、新たに「国際標準化戦略に関する検討チーム(仮)」、「電子政府推進対応ワーキンググループ(仮)」、「脳とICTに関する懇談会」の3つが新たに設置される予定です。

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新たに設置されるワーキンググループ等の取り組み目的や内容は以下のとおりです。特に、「脳とICTに関する懇談会」はこれまでにない取り組みなので、どのように進められるのか、注目されます。

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グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」は、昨年の10月30日に初会合が開催されました。インターネット中継され、ユーザの関心を集めました。半年経ち、今回、報告書の全体が示され、新たなワーキンググループの設置についても提示されています。これらの議論が、政策としてどのような形で具体的に反映されていくのか、今後が注目されるところです。

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