クラウド間連携やクラウド管理サービス
日本においてもクラウドコンピューティングというキーワードが随分使われるようになりました。先日NECや富士通などがクラウドに関するサービスや戦略を発表し、日本のIT企業もクラウドへの対応に本格的な舵を切ってきたという印象を持っています。
昨日、日本ユニシスのICTサービスフォーラムに参加し、オープニングセッションの「ICTサービスを支えるクラウドコンピューティング」を傍聴してきまし
た。日本ユニシスはICTサービスを全体像をSaaS、PaaS、そしてHasSとサービスレイヤとカテゴリをしっかり整理し、「SaaS
BusinessPark(ビジネスパーク)」というサービスコンセプトをつくり、SaaSの利用者や提供者、そしてステークホルダーをつなぐマーケット
プレイスと位置づけています。
本セッションの中では、米国におけるクラウドの現状が紹介されており、クラウド間連携サービスやクラウド管
理サービスの取り組みが紹介されていました。米国でSaaSの提供や利用が進んでいる背景として。PaaSの提供者や異なるクラウド間を連携させるサービ
ス提供者の存在が大きいとしています。
クラウド間連携サービスを提供している事業者として「Coghead社」を取り上げています。
「Coghead社」は、GUIサービスでクラウド間連携が可能なツール・サービスを提供し、AmazonとSAPのDBと連動する受発注・在庫管理シス
テムを構築するサービスの例が紹介されています。そのほか、クラウド間連携サービスとして「BOOMI」が紹介されています。
また。クラ
ウドのリソースを自動運用管理するツールサービスとして「Right
Scale」が紹介されています。Amazonにおけるサーバ等のリソースの設定・運用管理をすることができ、複数のクラウドも同じGUIで統合管理をす
ることができます。私の著書でも事例として紹介しましたが、Animoto(アニモト)社の場合は、3日間で50台から3500台にサーバのインスタンス
を増やしましたが、「Right Scale」を利用して、急激なリソース増加に対応したとのことです。
このように、クラウドの普及が進むことになれば、クラウド間を連携させるマルチクラウド環境の構築ニーズや複雑化するクラウド環境を統合して運用管理するといったニーズは増えていくことが予想されます。
日本では、まだまだそこまでの議論は少ないような気がしますが、この先、クラウド連携や管理がひとつの大きなビジネスとなっていくのかもしれません。