“不機嫌な職場”から“ご機嫌な職場”へ
書店に行くと、「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」が長い間ベストセラーの欄に置かれています。週間ダイヤモンドの5月17日号にも「超不機嫌な職場 なぜ社員同士でギスギスするのか」という特集が組まれていました。
実は私も二冊との購入し、読ませていただきました。職場の机の上に置いていたところ、上司が興味の興味を引いたようで熱心に読まれていました。
“不機嫌な職場”のポイントを整理すると、
- 成果主義導入の弊害
- IT依存によるコミュニケーション不足
- 管理職の権威低下と能力不足
- 自分にあまい若手社員の増加
- 人手不足による慢性的な残業
- 仕事の縦割り・専門家による組織のタコツボ化
などがあげられています。
特に、成果主義による事なかれ主義が進み、企業の中のチーム力が希薄化し、そして先輩が後輩を教えなくなった点等が問題視されています。
成果主義で評価された社員はモチベーションもあがるかもしれませんが、評価格差が生まれた場合、多くの社員は明確な目標を失い、仕事への熱意を喪失してしまうこともあるでしょう。
不機嫌な職場では「壊れた人」、「壊れた職場」、そして「壊れたマネジメント」が起こっているのです。そして、社員が「協力行動」を取りにくくなった点も指摘をしています。
最後に、“ご機嫌な職場”への転換法として、
1.タコツボ化を防ぐ構造づくり
- 仕事を公開する
- 発言や参加の壁をつくらない
- 理念・考え方を共有する
2.評判情報を流通させる仕掛け
- 人となりの情報を共有する
- インフォーマル活動を見直す
- 共通体験・感動を共有する
3.協力へのインセンティブを生む仕掛け
- 協力し合える場をつくる
- 自発的協力をマナー化する
- 感謝・認知をフィードバック
以前、「原点に回帰する社内コミュニケーション」等でご紹介させていただきましたが、社員旅行や運動会、そして社員寮や社員食堂も復活の動きがあります。そして社内のブログやSNSもタコツボ化を防いだり、評判情報を流通させる仕掛けとしては良いでしょう。
「不機嫌な職場」をテーマにした書籍が売れているということは、それだけ自分の会社にもあてはまると感じる方々がきっと多いのではないかと思います。
次に書籍が出るときは、「ご機嫌な職場 ~なぜ社員同士がこうも協力できるのか」みたいなタイトルがベストセラーに並んでいると良いのではないかと感じています。