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NGNには今期待してはいけない

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次世代ネットワーク(NGN)商用サービス「フレッツ 光ネクスト」が開始されました。NTT東日本発表内容によると、3月31日より新たに提供されたサービスは以下のとおりです。

 
「フレッツ 光ネクスト」のランナップ

(1)光ブロードバンドサービス

 ・「フレッツ 光ネクスト」 

(2)ひかり電話サービス

 ・「ひかり電話」「ひかり電話オフィスタイプ」

(3)セキュリティ対策サービス

 ・「フレッツ・ウイルスクリアv6」

(4)法人のお客様等向けサービス

 ・「ビジネスイーサ ワイド」 

 ・「フレッツ・VPNゲート」 

(5)コンテンツプロバイダ様等向けサービス

 ・「フレッツ・キャスト」

・「地上デジタル放送IP再送信事業者向けサービス」

 

「フレッツ 光ネクスト」の他社の対応状況

NECビッグローブ、ニフティ、ソネットエンタテインメント等のISPも「フレッツ 光ネクスト」への対応を発表しています。またNTTぷららは「ひかりTV」の名称で「フレッツ 光ネクスト」に対応したIPTVサービスとして70チャネル以上の放送を提供します。

 

遅れる地上デジタル放送のIP再送信

NGNの目玉と言われた地デジのIP送信は今回のサービスには間に合いませんでした。3月31日のNTTの三浦社長のコメントによると一部の放送事業との調整が遅れており、今夏のサービス開始予定のようです。

 

NGNの標準化の取り組み

総務省は327日、「日中韓・NGN標準化テストベッドでの共同実験」を発表しました。この国際共同実験も331日より開始します。日中韓でテストベッドによる国際共同実験を実施することにより、以下の目的を実現するとしています。

(1)NGNリリース2の国際標準化の流れをアジア地域に誘引

(2)実装レベルでの国際相互接続実験による知的財産権の獲得

(3)国際標準化活動におけるアジア地域での連携の土台作り

国内でサービス開始と同時に、アジアでの国際標準に向けた実証実験が始まりました。欧州ではBT(ブリティッシュテレコム)がNGNである21CNが先行し、様々なアプリケーション連携も始まっています。そしてアメリカででは通信キャリアとCATV事業者と放送と通信の融合をめぐって競争を繰り広げています。

 

NGNには今期待してはいけない

NGNはまだ実態がわからなく、NTT東西より発表されたサービス内容も今までと比べても目新しさがないという意見が大半を占めていると思います。情報通信の世界はインフラを用意する必要があるため、やはりある程度の年月が必要になります。10年以上も前に携帯電話の大きな端末が世の中に出始めのときに、ここまで普及することを予想した人はそれほど多くはなかったと思います。NGNはリース2でIPTVやホームネットワークとの連携、リリース3でモバイルとの連携、つまり、ある程度の機能が出揃ったときにその本領を発揮し、真価が問われることになると考えています。

 

将来NGNに期待されること

NGNが提供されることによって期待されることは、消費者に新たなコミュニケーションサービスが提供されること、そしてNTTが「SaaS over NGN」というキーワードを出しているようにネットワーク・ベース・サービスが提供されること、が期待されます。

前者の新たなコミュニケーションサービスは、アプリケーション連携などにより、FMCやトリプルプレイやクワッドプレイ、パーソナライズド・コミュニケーション、リアルタイム・マルチメディア・コミュニケーション等が考えられます。

そして、後者のネットワーク・ベース・サービスが提供されるようになれば、インターネットよりもセキュリティが確保された、共通プラットフォーム的なサービスがもっと普及する可能性が考えられます。これまで個別SIが多くを占めていましたが、IT産業の構造を変える可能性も秘めていると言えるでしょう。

セキュリティの脅威や動画投稿の増大に伴うトラフィックの負荷でインターネットへの不安や不満も増してきました。もちろん今のインターネット環境でも十分満足している人は多いと思いますが、金融や、教育や医療等の公共分野など、公共性が高く安全性を求められるものからNGNが普及していくことが予想されます。

NGNはサービス開始時点で大きく変わるわけではなく、機能拡充のリリース時期や公共等の各分野への利活用を考えながら進化していくサービスであると考えています。

インターネットとは違った新たなビジネスチャンスと安心できる新たなコミュニケーションのスタイルが生まれることになるのではないかと期待されるところです。

 

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