ニンテンドーDSが学校のICT教育に活用される日
私には小学校1年生の娘と3歳の息子がいますが、クリスマスにニンテンドーDSをプレゼントすることにしています。8月にBenesse教育研究開発センターが「ゲーム機の所有率は85%!」という結果が出ているように、低学年でも多くの同級生がニンテンドーDSを持っているようで、親としてもやっぱり買わなければいけないのかと思ってしまいます。
10月24日、文部科学省は「全国学力・学習状況調査」を発表しました。調査結果によるとゲームやインターネットを全くしないよりも1時間未満のほうが学力は高いという結果が出ています(関連記事)。この数値結果を見てしまうと親としては、ゲームも適度にやらせなきゃと思うかもしれません。
ニンテンドーDSの教材は、単純なゲームだけでなく、教材、料理レシピ、株取引、就職活動ノウハウ、健康サービス等、世代別に様々なソフトを提供しています。中でも学習教材は非常に人気があるというのが現状です。
ベネッセは特にニンテンドーDSを投入しており、特に学校の教科書に対応した学習ソフトは、1学年のフルセットで2万4990円と安くはないのですが、来年1月の発売前に、電話の窓口がつながらないというお詫びの案内をしなければならないほどの反響です。
ゲームであれば、子どもも途中で投げ出すことは少なくゲーム感覚で学力向上にもなるので、教育熱心の親であればゲームの手も借りたいというのが本音なのかもしれません。
10月29日、文部科学省は「学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討会」の第一回を立ち上げ、12月10日は第三回の検討会を開催しています。第一回で事務局から検討事項の案が出されたのですが、目標は、“教員一人に一台のコンピュータ及びネットワーク環境の整備並びにIT基盤のサポート体制の整備等を通じ、学校のIT化を行う。”こととしています。そして目標実現のために、情報システム外部担当者(学校CIO)の設置を推進するというものです。
また、ICT教育においてタブレットPCの利用も進みつつあり、和歌山市においては学校の情報化に向けて1,300台のタブレットPCを導入するという事例も出ています(ITmedia 関連記事)。
以上のように学校のICT教育の充実化に向けて様々な取り組みが実施されていますが、いじめ対策等のその他の作業に追われ、必ずしも充実した体制ができていないが現状です(詳細は省略)。
簡単ではありますが、学校のICT教育の現状やニンテンドーDSの学習教材の現状を述べさせていただきました。現在の学校教育の現状を考えると、教員一人一台のPCを配置することもまだまだ時間がかかり、ましてや児童が各々タブレットPCを利用できるようになるのもまだまだ現実的ではありません。
そこで、学校にゲームを使って学力を向上しようというアイデアも選択肢の一つになるのではないかと考えています。ニンテンドーDSの良さは、画面が二つあるため、上の画面で問題を見て、下の画面で答えを書く、そしてタッチペンで入力できる点は魅力です。そして学習教材も学校に対応した教材のため、ゲーム感覚で学習意欲向上にも期待できます。
学校にPCを多く導入するのはなかなか厳しいものがありますが、ニンテンドーDSは1台2万円以下という価格です。現在でもいくつかの教育委員会や学校で実際にニンテンドーDSをやって目覚しい効果が出たという事例も出ています。であれば、国の施策として学校にニンテンドーDSを導入し、学校のICT教育を推進してみてはどうか?という議論も将来もしかしたら出てくるのかもしれません。