ブロードバンド大国ニッポンの未来を考える
YouTubeやニコニコ動画等の動画投稿共有サイトを多くの人が利用し、Web2.0の潮流に乗り、mixi等のSNSやブログ等で動画系のサイトを紹介するのも当たり前の時代になりました。そしてセカンドライフも利用されはじめ、日本発のメタバース「meet-me」も今年度冬にアルファ版を開始が予定されています。そして2008年3月にNGNの商用化サービスが始まり、高品質かつセキュアで魅力あるアプリケーションの登場が期待されちます。また、地上デジタル放送の再送信も予定されています。
日本はブロードバンド先進国
世界においても日本においても、動画や仮想空間の利用が進み、より広帯域な回線が必要とされる時代になってきているように見受けられます。そして日本のブロードバンド普及率は国際比較においてもトップを走り、日本はブロードバンド先進国と言われるようになっています。
光回線の加入目標は下方修正
11月9日、NTTは2010年度の光ファイバー回線の加入者目標を、当初の3000万から2000万に引き下げると発表しました(関連記事)。YouTubeやニコニコ動画等の動画投稿が一般的になっており、ネットワークの中立性が問題になるほど多くのトラフィックが流れていますが、光回線への需要が落ちてきているのです。
何故光回線の需要が落ちているのか?
光回線の需要を伸ばすためにキラーコンテンツが必要とされていますが、果たしてそうなのでしょうか?光回線やADSLの登場に伴い、VOD(Vide On Demand)のコンテンツサービスが注目を浴びましたが加入者数は低迷しており、ぷららやオンデマンドTV等の映像配信会社を集約しててこ入れをしていかなければならない状況にきています。一方、YouTubeやニコニコ動画等の消費者が投稿するサイトは人気を呼び、Gyaoの無料動画もSTBを必要とする有料のVODを大きく引き離しています。
既に魅力のあるコンテンツは存在しているのですが、光回線にわざわざしなくても利用できる環境なのです。特に動画投稿を牽引したYouTubeは米国で始まったもので、米国のインフラや世界のインフラ事情を考慮した配信設計をしています。
世界に負けないコンテンツ政策と配信プラットフォーム
日本のコンテンツ政策は著作権の問題等遅れていると言われていますが、ご存知のように漫画やアニメそして秋葉原のメイド系のコンテンツは世界をリードしています。日本のコンテンツを積極的に配信し、YouTubeに負けないようなコンテンツ配信プラットフォームを日本がリードしていくということも必要になってくるでしょう。国内だけに閉じず、グローバルな視点でコンテンツ政策を考えて光回線の需要を喚起していってほしいと考えています。ブロードバンド大国ニッポンの未来はこれからが正念場であると考えています。