企業はWeb2.0とのギャップにどう対応していくのか?
企業では、Web2.0の技術をベースにしたシステムの導入が始まり、成功事例や失敗事例をよく見かけるようになりました。また、企業の導入後の状況を見てみると、いくつかギャップが生じているケースも見られるようになりました。
調査機関やコンサルタント会社そして大手ベンダ幹部等は、Web2.0の技術を企業に取り込むことが必要であると講演や調査資料や雑誌等に紹介してきています。
(2006.11.13 野村総研)
・コンシューマーで流行した技術に企業は注目すべき
(2007.3.22 シスコ 大和CTO)
・コンシューマー技術をビジネスに取り込め
(2007.3 CIO Magazineに掲載)
・「電子メールですらもう古い」、Web 2.0世代の仕事術は
(2007.5.25 米IDC シニアバイスプレジデント)
一方、企業側はWeb2.0を社内に取り込むことに対して戸惑いを見せたり、Web2.0の本来の目的とは異なる方向に進んでいたりするケースも見られます。
その代表的な記事の一例を紹介しましょう。
(2007.2.14 富士通総研
湯川抗氏)
・Web2.0に戸惑う大企業(2)――経営者がつきつけられた課題
(2007.2.21 同)
・Web2.0に戸惑う大企業(3)――社員に市場との対話の機会を
(2007.2.28 同)
・企業内SNS導入,経営者説得の殺し文句は?
(2007.3.15「実践 企業内ブログ/SNS活用術」セミナー)
・毒抜きされるブログ/SNS
(2007.5.30 日立コンサルティング 小林氏)
それでは、今後企業はWeb2.0とどう関わっていくべきなのでしょうか? 企業はWeb2.0の技術だけではなく思想も取り込み、企業の中の新しいコミュニケーションの領域を創造していくことが必要であると考えています。「社内で埋もれるCGMを発掘できると企業は強くなる」(2007.3.06)や「社員のWeb2.0への関わり方」(2007.3.21)等で紹介させていただきましたが、企業の中で社員がどのようにWeb2.0と関わり、どのように社員の経験知や集合知を拾い上げ、そして企業はそのアクティブティ(活動)をどのように評価していくのかという点をもう少し議論をしていく時期にきているのではないかと感じています。