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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

« 2007年2月2日

2007年2月3日の投稿

2007年2月5日 »

痛快!・・・いや、よくぞここまでばっさり斬ってくださいました。私は一応経営コンサルタントを自称していますが、この法律に悩み苦しむ多くのお客様も、ここでこき下ろされた主張を読まれたら、さぞかしスッキリすると思います。ITメディアさんにもらった表題の本を読んだ感想です。

私も、個人情報漏洩の事件が拍車をかけて、情報保護法が制定され、施行され、という一連の流れに、非常に疑問や不満を感じていました。

この本はその理由もしっかり整理できる助けになるし、何より現在の当該法はダメ!ときっぱり言い切るそのスタンスが痛快。

災害時の問い合わせ、種々の会員名簿の廃止、営業マンPCThin Client化による業務効率悪化、本人同意の必要性に関する例外事由、・・・等々、わかりやすい、いろんな例示をふまえた上で、自分の考えに自信が持ててきた気がします。

確かに、プライバシー権は重要だと私も思います。ですが、個人情報保護法は明らかに「過保護」な範囲になっており、プライバシーに触れない範囲の「個人」情報まで、過保護に守ってしまいます。実は個人情報保護法に関連するコンサルティングサービスの依頼も年間2,3件来るようになったのですが、その悩みややりたいこと(ゴール)を伺うと、結構唖然とすることも多々。

弊社内でも1つ「!」という例がありました。

ある仲間の奥方が無事第一子をご出産されまして。

小生は有志を募ってお祝いを送りました。

後日、その人は内祝いをお返しするため、百貨店へ買い物に行くことにした。

行くにあたり、たくさん買うので荷物になるから、有志にそれぞれ買ったものを直接個別にご自宅まで配送するようにしよう、そう考えて百貨店に行く前日に、弊社人事部へ各自の住所を聞きに行きました。

人事のスタッフが回答。「住所は個人情報なので、当人達の明確な承諾がない限り、同じ会社の社員であっても、こちらから教えてあげるわけにはいかない。」

・・・おいおい、・・・なんだそりゃ!?

その仲間はしょうがないので、百貨店で買った十数個の内祝いを一生懸命抱えていったん自宅に持ち帰り、翌日弊社本社にそれを持って出社し人事部へ。「すいませんがこれをそれぞれ今から指定したい人達に郵送してください。送料は自分の次回給与から天引きしておいていただけますか?」

ありゃー。面倒くさい。っていうかかわいそう。

     ・・ご苦労様です・・・

別に人事部のスタッフは何も悪くはありません。悪いのは個人情報「過」保護法。

お客様先でもこんなことがありました。

ある金融サービス企業様。営業マンは本社に帰社して申込書やら契約書やら書類の作成。

個人情報「過」保護のため、セキュリティポリシーが制定されていて、オフィス内にはPCも携帯電話も持ち込めません。全部オフィススペース出入り口のロッカーに保管して、いわゆる「丸腰」になってからしか入退室できません。

その昔、この企業の営業さんは携帯電話に取引先の電話番号や住所を登録していて、それをみながら電話やFAXをしたりしていました(それはそれでビジネス効率としては問題ではあるのですが)。ですから携帯が持ち込めないだけでも不便。

また、本でも類似事例が登場しますが、外に持ち歩くPCは会社に持ち込めませんので、基本的に顧客情報を会社のデータベースとやりとりしてダウンロードすることもできない。

で、混乱を招いてかえって事務ミスが多発してしまったのです

この本は正直「ラジカル」ですが、このくらい強烈に改革を訴えることは非常にいいことだと思ったのでした。ご興味ある方は、是非!

ソフトバンク新書 シリーズ
個人情報「過」保護が日本を破壊する
http://shop.sbcr.jp/bm_detail.asp?sku=4797336919

TORAPAPA

先日のエントリで紹介した通り、営業活動の基本知識について、キーワード別にその内容についてより詳細に解説をしています。

「『量』や『時間』で勝負しないこと」

     大手のファームにいたときは、「とにかく持てる投資可能な時間は全て費やして」「よりたくさんのメッセージを」盛り込むことに終始していました。ですが、そんなに「人間の人生は長くはありません」。いつかストレスで体も壊れます。メッセージを受け取る方だって、聞いたり読んだりする時間、実はばかにならないと思われていることも多い。重要なメッセージこそ効率的に「適量を注いであげる」ことがよっぽど大事なのです。

     これは経験則ですが、「自信がないときほど量で勝負にいく」気がします。もちろん勝ちたいから時間をかけること自体に反対はしません。ですがこれまでも語ってきた「勝率」や「効率」を考えれば、むしろ自信がないんだから量で勝負しても負けるものは負けるわけで。反対こそしませんが「勝てる気がするまで時間をかけて量を積み上げて」という考え方は、勝率に貢献してない気がふりかえってみるとするんです。

     キーメッセージを10枚程度に簡潔に纏めた提案書を、さらに3日間徹夜して100枚の大作に書き上げて臨むよりも、、魅力的な女性部下(お客様が男性の場合)やイケメンの男性部下(お客様が女性の場合)を連れていった方がよっぽど勝率が高かったりして・・・(深謝:厳密にはセクハラ表現とは思いますので不快に思われる方々に一応お詫び申し上げます。<(_ _)>例示です)。これは残念ながら(?)小生の実績でもあり、量で勝負してもいいことそんなにないんです。

     明らかに相手が量を求めていると指定があるか、意思表示されているとの確信がない限り、私は効率を追及させたい。文章力や絵心はあくまで補完技術であって、いわゆる「べしゃり」にその人の個性、献身的姿勢、が表現されるはずで、きっとお客様は大抵そこからその人の「魂」をわかってくださると思います。「身の丈」でいきましょう!(あ、あまりにも端ったら当然お叱りを受けますけども・・・)

     1枚のスライドをプレゼンする目安は駆け足でも3分、通常5分、渾身のスライドの場合は15分くらいだと思います。ですから平均5分でもコンテンツ頁が10枚あれば1時間くらいのプレゼン時間が必要です。これに質疑応答や討議を混ぜたらもっとかかるわけで。・・・いっぱい書けば書くほど、事前に送付し目を通してもらうとか、プレゼン時に扱う本編頁と、あとで検討等に読んで欲しい補足頁をきちんと区分けして先方に伝える等々、工夫にそれなりの時間をかけるべきと思います。

     もっとも、その企業に求められる「ブランド対価の」量みたいなものはあるかもしれません。時折大手SI企業さんの提案書を拝見し、特大バインダークリップでも留まらないくらいの大作をみさせていただきますと、「すっげーなぁ、さすががなー、でも読むのも大変だ」と思うと同時に、「ここまでいっぱい書いたら受け取り手も『ここまで丁寧に書いてくれてありがとう!』と思うんだろうな・・・」と2つの気持ちが浮かびます。その辺のポリシーはしっかりした方がいいですよね。相手方の「受け入れ文化」にあわせて、ですが・・・

TORAPAPA

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北添 裕己

北添 裕己

アクセンチュア、ヘッドストロングを経て現在、キタゾエアンドカンパニーで金融機関主体の経営・ITコンサルに従事、特にプロマネ領域にカリスマ的手腕を発揮

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