カブトムシの育て方(簡略版だけど結構役に立ちますヨ!)
今日は知人のリクエストもあり、カブトムシの完璧な(笑)育て方をできるだけ簡潔に解説します。
育て方は結構ネットで検索してもいろいろ出てきますが、私も昨年、ご近所からもらった1ツガイから、5匹の幼虫、そしてそのまま無事蛹になってふ化して成虫になり(♂2♀3)、そして、毎晩ヤリまくってブンブン飛び回って・・・全部死にました(泣)。
でも幼虫が少なくとも4匹います。2匹は無事独房(?)へお引越し。でもあんまり土の中をかき回すとまだ孵化してない卵や小さな幼虫がいるかもしれないから・・・あと2匹がみつけられない・・・といってるうちにまたご近所に結局6匹ももらってしまった!
・・・えー、前置きはともかく、ではポイントを解説しましょう。エントリなんでちょっと簡略的に書いてすみませんけど(それでも比較的長文になりますけどね^^;)。
1. カブトムシを手に入れよう
まず1ツガイ(オス1匹メス1匹)を入手しましょう。カブトムシはとにかく交尾しまくります(笑)。オスが複数いるといっつも喧嘩ばかりします。経験的にはオス1メス3くらいのハーレム(笑)が最高です。昨年学んだのは、1つがいから孵化した成虫は意外に早死にします(どうも寿命が短いようです)。なので、もしオス2メス4くらいの所帯にできる人はそうしましょう(今私のところはそうなってます)。これだとかなり長続きしそうです。メスが多いからかオスもほとんど喧嘩しません。
容器ですが、概ね20cm×10cmくらいの一般的なプラスチック容器で1つがいを飼えばOKですが、オス2メス3~4くらいの所帯なら40cm×20cmくらいの大きめがあとのことを考えるとおすすめです。
土ですが、あとあと幼虫を育てる都合から、容器の高さが20cmくらいだと都合がいいのですが、15cmくらい土を入れます。昆虫マットとかクヌギマットとかいうやつを入れます。これは将来幼虫の餌になります。黒土は幼虫が食べないので、マットがないと卵は全滅します。あと腐葉土も無農薬保証のものだといいのですが薬が入っていると成虫すら全滅します!それにマットは成虫は食べないので天日に干して発酵させるようなことが不要です。最初からマットで問題ありません。マットを容器に少し入れたら霧吹きで1回シュッ!と適度に湿らせてまた少し入れて湿らせてを繰り返して、15cmくらい土を入れましょう(目安はコップ1杯くらいのマットに1回だけシュッ!で十分です)。あとは、朽木という枯れ木を1つ土の中に埋めておきましょう。のちのち幼虫が大きくなったとき、さらに大きくなるための餌になります。表面は、落ち葉(枯れ葉)や木の皮をしいておきます。カブトムシはクワガタと違って、ひっくり返るとかなりの確率で元に戻れなくて、あがいているうちに疲れて死んでしまいます。なので、葉っぱや皮がしいてないと、つかまって起きることができないんです。
これら土や落ち葉や木の皮に朽木、あと餌台、全部、100円ショップで売ってます!から夏のシーズンはとにかく100円ショップで買いだめしておきましょう。ちなみにプロテイン入りマットというのがありますが、絶対ダメ!すっごーーーーーーい、クサイ!!死にます。鼻曲がります。確かにすっごい大きくなるらしいのですが、そんな、スポーツ選手じゃあるまいし、筋肉増強プロテインなんて不要です!自然が一番。
2. 交尾をさせよう
まず性欲をつけさせるために、餌を与えましょう。ちなみにスイカやメロンは厳禁!おなか壊します。100円ショップで昆虫ゼリー売ってます。これが一番無難です。大体つがい(2匹)あたり1日1個。オス2メス3~4くらいの所帯だと2個。餌台も売ってますから1個入りか2個入りか選んで買いましょう。ゼリーやスイカを直接土の上に置くと、必ず土が腐って虫(コバエ)が湧きます。たくさん湧いてしまうと全部(土とか朽木とか)作りなおしです(涙)。絶対やめたほうがいいですよ。
オスは喧嘩もしますが交尾もじゃんじゃん(爆)しますから、1つがいでもいいですけど、オス2メス3~4くらいの所帯にできると結果複数の組み合わせで卵が産まれ近親こう配も避けられます。それに、自然界ではオスもメスも複数が当たり前なのですから、むしろその方が子供の教育にも良いと思います(少なくとも「ハーレム」なんて言葉を教えるべきじゃないし。笑)。
交尾をすると、しばらくしてメスが土の中に潜って出てこなくなります。時々容器の底をキーキーひっかいたりします(夜中のこの音と羽ばたきは結構うるさい)。そしたらきっと産卵しています。終わるとまた地上に出てきますが大抵この瞬間をまたオスが狙っていて、メスがおしりを地上に出した瞬間またじゃんじゃん交尾を始めます(!)。このSCENEは正直教育に良くないです(爆)。子供に聞かれたらスルーしましょう(笑)。
3. 卵が孵化したら
卵はほっとくと勝手に(笑)ふ化します。ここまで書いてある手順をきちんと踏んで、2,3日に最低1回、マット表面だけ霧吹きをシューシューしておけば、あとは成虫が土をかきまわして発酵させてくれた上に土を細かくしてくれますので、小さな幼虫(1令という)でも食べれます。マットがあまり粗いと食べれないので死んでしまいます。なので、慎重に確実に孵化させたい人は、最初に「土を入れる」際に、手で土を力を入れてもみほぐしながら器に少し入れては霧吹きシューを繰り返してください。この発酵した細かい土が幼虫を活かす決め手になります。
幼虫は共食いをします。なので、経験的に1つがいから30から40くらい産卵しているようなんですが、実際に上述の標準容器サイズで飼うかぎりは、せいぜい5匹くらいが生き延びて大きくなってきます。40cm×20cmでも10匹弱が経験的に限界のようです。そもそも成虫と一緒に飼ってますと、小さい幼虫や卵はメスが潜ってガシガシ底をひっかきまわしているうちに傷つけられて死んでしまうようです。でも自然界では当たり前のこと、そのままほうっておきましょう。貴方がブリーダーを目指さない限り(苦笑)。適切な数になった方が、そのあと飼うのも大変です。大体の目安ですが、丁寧に飼うとなると、幼虫1匹あたり、餌兼寝床であるマット1袋(1kg?2kg?)が成虫になるまで必要になります!!すっごい食べるんです。
いっぱい育てたい人は次項のように別容器に1匹ずつ幼虫を小分けにするのを早めにやっていけば、通常はかなりたくさん卵をうみますから1つがいでも10や20の幼虫を育てることは可能ですが、ここで解説している飼育方法でも立派に幼虫から成虫まで育てることができると考えれば、ホントに来夏、成虫がうじゃうじゃ20匹いて嬉しいかどうか、よく考えてから増やしましょう。
私の信念(笑)は、とにかく「自然界に近い条件で育てる」ことなので、変に過保護にしないで共食いもさせ、親子共存の環境の中で、きちんと生き残った幼虫を成虫まで育てていくことをモットーにしております。実際、5、6匹でも羽ばたきはかなりうるさく、これが10匹20匹だったら気が狂いそうって感じです。なので、極端に増やしたい人以外は、たくさん育てる必要はないと思います。
成虫は9月終わり頃にはほぼ確実に死んでしまいます。丁寧に育てても越冬することはありえないそうです。つまり親は必ずその年に死ぬのです。死んだら採取した公園やら土に埋めてあげるか、子供に気付かれないようにそっと捨てましょう(ちなみに燃やすゴミとなります。土は燃えないゴミですのでご注意を)。
4. 幼虫が大きくなってきたら
大きくなってくると2令といって、人間の小指くらいのサイズになってきますので、このくらいになったら共食いもしません。が、成虫に引っ掻き回されて傷ついて死ぬのを避けるために、別の容器に移しましょう。私は100円ショップで10cm四方の高さが20cmくらいあるプラスチックケースに、マットを入れて幼虫が成虫と一緒の容器の中で時々壁際に顔を出した瞬間にそーっとプラスチックのスコップでうまくすくいだして移しています。あんまり無造作に土の中をかき回すと、成虫はしゅっちゅう交尾していますので他の卵や小さな幼虫を潰してしまいます。あとマットですが、この幼虫飼育用の場合は、できれば購入したマットを一度新聞紙か何かのうえにばっとひろげて半日くらい天日に干して、殺菌&発酵させてから、前述の霧吹きの段取りで15cmくらい土を入れて、あとはキッチンペーパーとかで箱の蓋と容器本体をはさむようにして、少し空気が入る余地を残して蓋をしましょう。密閉すると当然ですが酸欠で死んじゃいます(!)。後述するように、最初だけこの殺菌&発酵をちゃんとやれば、そのあとはこの面倒な手入れは不要ですので。
ちなみに大きくなった幼虫と成虫をそのまま飼っても問題が起きるわけではありません。成虫は幼虫のことなんかかまうほどインテリジェントじゃないだけで、いっぱいゼリーを食べて、悪気なく一生懸命交尾して(笑)、そしてさらに一生懸命交尾して(爆)、そして土深くもぐって産卵して、そしてメスの多くはそこで力尽きて死んじゃうのです。地上に出たらすぐにまたオスにヤラれちゃんだぉ?結構その一部始終をみてるとね、切ないですよ・・・交尾ばっかりしてるのをみるのは苦笑いですけど、産んだ卵のすぐ近くで果てたメスや、土の上で寂しくうずくまったまま死んだオスをみると・・・結構泣いちゃいますよ、オトナでも。
まさに命の尊さを学べている気がします。
大きくなればなるほど幼虫は黒い糞をたくさんするようになります。結構幼虫は上手に糞をマットの表面に集めてくれますから、糞がたまったらスコップとかですくって捨てます。マットが減ったら新しいマットを少しずつ足します。ちゃんと発酵してないマットも少し入れるくらいなら死んだりしませんから大丈夫。発酵が進んでないとガスが発生して幼虫は苦しくてマットの上にコンニチワしてきますが、そしたらフタをしばらく空けてきれいな空気と換気してあげましょう。
5. 寒くなってきたら蛹になるまで
幼虫はあっというまに親指大の大きさまで成長し(3令)、じゃんじゃんマットをたべてじゃんじゃん糞をします。マメにマットをきれいにすればするほど、じゃんじゃん食べてもりもり糞をします。
ですが、寒くなってくると、だんだん食べなくなります。寒いとエネルギーを消費しないよう、いわば冬眠モードみたいな感じで動くこともしなくなります。そうなったら糞もあまりしないんで、そのままときどき霧吹きしてマットが乾かないことだけ気配りしておけばよいです。寒いとそんなにマットも表面はどうあれ中の方は乾いたりしません。たまにで十分(週1回とか)。春になり3月くらいになるとまた幼虫が動き出してマットを食べ始めますので、幼虫が活動復活したら、また糞をとってはマット補充を繰り返しましょう。
この頃から幼虫はだんだん黄色くなってきます。明らかに「昔に比べて黄色くなったなあ」と、透明感がなくなったら、じき蛹になるというサインです。動きもまた次第に活発ではなくなってきますので、マットを手やスコップで上から強く押し固めるか、黒土を10cm分くらいマットと入れ替えてください。経験的には、蛹になったあとに揺らしたり衝撃を与えると奇形になったり死んだりするらしいので面倒くさいけど黒土に入れ替える方が無難です。でもマットを押し固めるときに糞を捨てずに押し固めると、蛹は蛹室という周辺の壁を糞を固めて作れるらしいので容器を揺らさない自信があれば、わざわざ黒土に入れ替えなくても大丈夫なはずです。
いつから蛹になるかは容器の壁面に蛹室を作らない限りみえないのですが、動きが鈍くなり蛹になりそうだなあという頃から容器の周辺を真っ黒い紙でおおって暗くしておくと、かなりの確率で壁面に蛹室を作るようです。
蛹になったら2週間くらいはほったらかしです。もう成虫になるまで動き出しません。生きてるか死んでるかもわかりません。ただただ待ちましょう。気長に・・・(このときはもはや霧吹きすら不要です)
6. いよいよふ化したら
早ければ5月くらいに、ついに「キャスト・オフ!」して地上に出てきます。
私は、幼虫は小分けした容器で育てますが、蛹になる頃まで、成虫を育てておいた大きな容器もコバエが湧かないように丁寧にメンテしておいて、そして比較的遅くに孵化した幼虫2,3匹をそのままこちらで飼育を続け、さらにしっかりマットを押し固めてから蛹になりそうな幼虫すべてをこの中に戻してあげます。
そして、幼虫は奥深くもぐっていき、蛹になり、そしてついに!順次「キャスト・オフ!」します。
このやりかたの唯一の欠点は、蛹が容器の壁面に蛹室を作らない可能性が高いです。小分けして黒い紙でおおうやり方に比べ、壁面で蛹室を作った蛹の孵化の様子が観察できません。蛹の孵化過程をみたい人は、黒い紙でおおって小分けしたままで観察した方がよいです。
7. そして次の世代へ・・・
6月くらいには全員「キャスト・オフ!」します。そして元の成虫飼育モードに戻り、8月くらいまではがつがつゼリーをなめてじゃんじゃん交尾して、の繰り返しがまた始まります。
残念ながら経験的に早く孵化した順に、成虫はまた死んでいきます。それまでに交尾した結果は、またたくさんの卵がマットの中に産まれ、そして幼虫になって、の繰り返しです。
幼虫飼育は、子供はなかなか興味を持ちませんが、成虫に対しては、その「キャスト・オフ!」から往生するまで、強い興味を持ち、いじったりして遊んでいます。ただ何度もひっくり返すと死にますし、交尾のし過ぎ(?)でじっとして寝ているところ(夜行性ですから)をいじっておこしたりすると、ストレスもたまって活発じゃなくなったりもします。そんなことをさせないよう、本来の生態を教えてあげるのはオトナの務めでもあります。
人間と違い、またクワガタと違い(クワガタの成虫は2,3年は生きます)、カブトムシは確実に成虫が秋には死に、夏に生まれた幼虫は大事に育てれば次の春に蛹となり初夏にまた成虫になります。そんなカブトムシの一生を親子で観察するのは、なかなかいろんな勉強になります。
まじめに育てたい方は、このマニュアル(笑)を参考にしていただければ幸いです。