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『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』のことを書いたが、その後、ほかにも出ている『キャプテン・アメリカ』のシリーズを何冊か読んでハマった。
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2011/10/post-85ec.html

『シビル・ウォー (MARVEL CIVILL WAR)』(ヴィレッジブックス)は、ヒーローたちの活動で出た被害などから、政府が「超人登録法」を施行し、合法化して管理下に置こうとする動きと、反対するヒーローたちの対立を描いた作品。アイアンマンを中心にし、素性を公開した登録組に対し、キャプテン・アメリカを中心とする反対組は、自由な活動とコスチュームによる匿名性を選び、地下に潜る。ちなみにシビル・ウォーは、アメリカでは南北戦争を意味する。

この二派の闘争を描く本作は、いわばこれまでのアメコミ・ヒーローの自警団的活躍を現実の国家活動としてシュミレーションしてみたもの。こういう想像力はアメコミには多い気がする。アメコミに詳しくない僕には、まだ直感的にしかわからないが、日本のヒーロー再現物との比較をすると、面白いんじゃないだろうか。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC/dp/4863323433/ref=pd_sim_b_2

『ニュー・アベンジャーズ コレクティブ』『ニュー・アベンジャーズ ブレイクアウト』『ニュー・アベンジャーズ セントリー』(ヴィレッジブックス)は、謎の陰謀で解き放たれた、過去にヒーローたちが拘束した超人悪たちに対抗して、キャプテン・アメリカを中心に再結成された「アベンジャーズ」のシリーズ。これらを読むと、アイアンマン、スパイダーマン、キャプテン・アメリカなどのヒーローそれぞれの性格の違いが描かれていて、アメコミの長い歴史、蓄積されたイメージの文化を感じる。

とくに『セントリー』には、コミック・ブックにしか存在せず、誰からも忘れられ、自信喪失して自殺したがっているヒーローが描かれて興味深い。彼の描かれているコミックも、絵や色、表紙まで昔のアメコミ風に(本物なのか?)挿入されている。また、なぜか忍者ヒーローも登場し、ヒーローたちが日本で忍者たちと戦う場面もある。ただし相当ヘンな日本と忍者(かつてアメリカのB級映画で描かれたニンジャ)だけど、そういうのも面白い。

このシリーズはまだ完結しておらず、他にもヴィレッジブックスから出ているので、今度さがしてみよう。アメコミの持っている共同幻想って、アメリカでは誰か研究してるんだろうか。してそうだな。

natsume

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夏目 房之介

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72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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