« 2009年2月1日

2009年2月2日の投稿

2009年2月3日 »

歴史物2冊。

安彦良和『麗島夢譚』1(徳間書店)
いってみれば「パイレーツ・オブ・カリビアン」まではいかないが、ややそれに近い荒唐無稽アクション歴史マンガといいますか・・・・。まず、主人公が鄭成功ってだけで、知ってる人はびっくり。こりゃまた凄いとこに目をつけたなー、と。で、若き松浦党の若殿の主人公、はっきりいえば海賊の若首領の周辺に、じつは島原の乱を生き延びてた天草四郎に、彼を脱出させた謎の忍者、さらには足を悪くして漂白してきた宮本武蔵・・・・。なかなか楽しい設定で期待させるが、例によって主人公の少年がアクションの中でやたらと叫ぶ。僕にはこれがちょっとうるさい。他の人物はいいんだけどねー。新興オランダの世界制覇の陰謀と台湾を巡る海洋歴史マンガになるはずの今後が楽しみ。

みなもと太郎『松吉伝』(みにゃもと)
みなもと先生、いつも同人誌送っていただいてありがとうございます。
『松吉伝』は、みなもと先生のご祖父の話。これが、ああた驚き桃の木山椒の木。なあんと、あの日露戦争のときに欧州で後方擾乱の諜報活動をしロシア革命を後押ししたという明石元二郎(詳しくは司馬遼太郎『坂の上の雲』参照)の部下で、謎の期間にアジアで活動してたらしいという・・・・うわー。生涯語らなかったその頃の話で、みなもと先生のご尊父がかろうじて聞きだしたのが「明石閣下の功労があまりに過小評価されているのが辛い・・・・。使った予算は当時の国家予算の数分の一。なぜ、欧州の新聞がこぞって日本贔屓になり、あの海戦に勝てたと思う?」てなことを・・・・。これがホントなら、日本近代史のみならず世界史にかかわる一大事ですが、みなもと先生は、オボロな聞き書きにすぎず、むしろホラ話と取ってもらったほうが気楽とあとがきに書かれてます。ま、ことの重大さがわかるからでしょうが。
あと、朝鮮の警察署長をされ、関東大震災前からあの甘粕正彦と懇意だったとか。うむむむ、しかもこの連載、掲載誌「斬鬼」休刊により、頓挫中。何てこった。
しかし、みなもと先生、こんな血筋だったとは・・・・。松吉さんは、どうやら死線をくぐってきた肝の据わった人だったようで、しかも武術の達人ぽい。興味津々。続きが読みたいのであります。ばくち打ちの息子から曲折あって近衛連隊に入ったというあたり、かの石光真清(中公文庫の手記シリーズ参照!)を彷彿とする人物です。いや、おろろいた。

『松吉伝』ほしい人は→ サークルみにゃもと http://fuunji.net/tuuhan/tuuhan2008huyu.html

natsume

« 2009年2月1日

2009年2月2日の投稿

2009年2月3日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
natsume
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ