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滝田誠一郎『ビッグコミック創刊物語 ナマズの意地』(2008年プレジテント社)
「漫棚通信」さんの記事ではじめて知った!
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/
『ボーイズライフ』『ビッグコミック』という、小学館の青年マンガ路線を作り上げ、日本の戦後マンガ青年化の方向性を確立したといってもいい編集者・小西湧之助を中心にしたお話だそうだ。まさに、このあたりのことを知りたかったのだよ。
出たのも知らなかった! やばいやばい。これはすぐ読まねば!

natsume

こないだ研究資料を神保町で買い込んだとき、クレイグ・ヨー、ジャネット・モラ・ヨー共編『ミッキーマウス画集』(講談社)のハードカバー文庫版を購入した。92年に大判で出て、99年に文庫化されたようだ。なかなか豪華で面白いビジュアル本で、要するにアンディ・ウォーホル、キース・ヘリング、チャールズ・ショルツ、マイケル・ジャクソン、ロバート・クラム、メビウス、スージィ甘金などが描いたユニークなミッキーを集めた画集なのだ。ぱらぱら眺めるだけで楽しい。
 しかし、それだけではない。なんと、ジョン・アップダイクが「序文」と称してミッキーマウス論を書いているのだ。僕は彼の小説を読んだことがないが、ミッキーを扱った小説も書いているらしい。このエッセイ、なかなか本格的で興味深い。ミッキーを語るキーワードは「耳」であるとして始まり、どこから見ても角度の同じ耳の象徴的な意味を探り、そもそもマンガやアニメのキャラクターとはどんな存在なのかについて言及される。

〈元来ミッキーの耳は3次元空間には属していないのだ。ミッキーの耳は表象化された理想、つまり観念の世界に属している。漫画の世界特有の、弾性と不滅性をそなえた領域である。〉

 このあたり、大塚英志「傷つく身体」論とも重なる議論かもしれない。
 また、ミッキーの誕生や変遷を追い、排除され蔑まれる者としてのミッキーと彼の白人中産階級化、自分の中に記憶としてあるミッキーなどについて書かれていく。

〈あの表現しようにも不可能な子どものころの感覚ーーゴムの味、甘草入りのお菓子のにおい、超自然的な透明感、ミッキーマウスが与えてくれた身近な刺激の感覚ーー[略]私たちにとってミッキーマウスはまさしく”守護妖精”である。〉

 ミッキーへの愛を動機にした、なかなかいい論考である。

http://www.bk1.jp/product/01674932

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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