きょこ コーリング:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) きょこ コーリング

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私が書いたESECの記事に加藤さんがコメントを付けて下さっていて、長くなりそうだったので別エントリにしたいと思いました。

展示会出展の目的、いろいろあると思います。多くはやはり見込み客の獲得と知名度の向上ではないかと思います。

「単独のイベントではこんなにたくさん集客できない。出展料を払ってでも見込み客が集まる場所に出たい」(この理由で、超大手企業では展示会を卒業して、プライベートのイベントに注力するところもありますよね)

「新進気鋭の企業なのでとにかく知名度をあげたい。目立つブースやノベルティで覚えてもらいたい」

これがよく聞かれる声だと思います。

そしてノベルティを配って名刺を集める行為なのですが、これは考え方が大きく2つに分かれます。

A社:たくさん集めても営業もそんなにたくさんいないし、追いかけきれない。ノベルティで人を集めると、興味ない人も来てしまう。営業トークではなく、詳しいエンジニアがデモの前に立つようにして、本当に興味を持つ人だけを集めればよい。

B社:まずは名刺情報が入手できないとその後のコンタクトにつながらない。とにかくイベントコンパニオンとノベルティで大量に名刺を集め、後でスクリーニングをして、見込み客となるところにコンタクトをすれば良い。もらった名刺にアクションをおこさないということは可能だが、もらわなかった名刺には何もできないのだから。

私はどちらかというと後者です。もらわなかった名刺は後からもらうことはできません。せっかく出展料を払い、社員総出でイベントを実施する場合、とにかく名刺をもらってしまわなくてはと思ってしまいます。

ただ、大量に集めた名刺を、アンケート結果に基づいて見込みがあるかないかをわける作業には、時間とお金がかかります。この作業を外注している企業も多く、出展していると「名刺の整理やります」とか「変わりに御礼電話をかけて、見込みがあるかどうか探っておきます」というサービスを提供している企業がセールスに来ます(笑)。ちなみに私も電話は外注していました。

また、外資系企業などでは、とにかく参加者の名刺データをセールスフォースなどにに入力することが義務付けられている場合もあります。その場合イベント担当者はその入力数などで本社の上司に評価されることが多いです。その場合、A社のような手法は取れないことになります。そこからマーケティング活動や営業活動を通じてqualifyをしてだんだんと数が減って、最後はWinという感じでセールスパイプラインが管理されていきます。

それから、システム上で、長いスパンで管理しているケースもよくあります。以前勤務していた会社では、社内のCRMに展示会来場者を毎年入力していたら3年連続で来た人(もちろん、途中で何度かニュースレターを送ったりして、商品のことを思い出してもらうようにしました)がようやく買う気になった、というケースもありました。そうなると、まずすぐに買いそうな客だけに展示会場で絞り込んでしまうと、将来WarmやHotになる情報も入手できないことになります。そして、名刺をもらわなければ(&そこでパーミッションをとらなければ)その人にはメール送信もできないことになってしまいます。

どちらかというと、展示会にくるお客様は、すぐに見込み客というよりも、将来的に可能性のあるお客様の気がします。そのため、まず名刺を集めたいということで、皆さんノベルティに工夫を凝らしているように思います。

会社のスタイルや状況などによっていろいろなスタンスがありますが、出展社にとっても、参加者にとっても何か得るものがあるイベントであってほしいものです。



きょこ

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プロフィール

加藤 恭子

加藤 恭子

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。
現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。目黒広報研究所で広報に関する情報発信を行っている。

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