「セミプロに駆逐されるプロという構図勉強会」に参加して来ました
4月8日に開催された、「セミプロに駆逐されるプロという構図勉強会」という名の飲み会に参加して来ました。
私はこのイベントを及川さんのFacebookで知り、ちょうど参加者募集をしていた時に知り、運良く参加出来ました。
ネットの普及で、書籍で稼いでいたライター、セミナー講師で稼いでいた人はそれぞれブログやネットの情報、勉強会などに取って代わられてしまった。安価もしくは無料でコンテンツが入るのは喜ばしいが、プロが駆逐されつつある現状は好ましいものなのか。
一方、全然駆逐されていないという意見もある。そんなことをネタに呑もうという飲み会(ちょっと乱暴に略したので、詳しくは及川さんのブログやイベントのサイトをご覧下さい)
ということで、私もこの辺りに問題意識を持っていたこともあり、当日がとても楽しみでした。
私が感じていたのは、こういうことでした。
2足のわらじプロが目につく
会社員で収入を得ていながらも、会社の仕事以外の時間を使って、フルタイム勤務以外で何かに専念するスゴイ人がとても目につくということです。身近な例で言えば、このオルタナティブブログのブロガーでも、永井さん、小林さん、大元さんなどはその好例かと思います。クオリティや仕事量という点でもはやプロですよね。(小椋佳さんのような二足のわらじを履く人も昔からいましたが、そのような人が身近になるまで増えているような)このようなスゴイ人の増加は、専業プロに何か影響を与えているのでしょうか。
ノンマネタリーまたは低報酬パートタイム書き手の増加
また、報酬を払わずに転載という形で、ノンマネタリー(お金以外)のモチベーションを持つ人の原稿をアップして収入を得るタイプのサイトも増えて来ましたし、主婦の方などに在宅で数百円で原稿を書いてもらってアップしていくサイトも出て来ています。クオリティは担保できなくても、刺激的な見出しなどで、それなりにページが読まれたり、話題になったりしている印象です。この「価格破壊」が起きた場では、専業ライターは到底寄稿できません。
フリーライターの報酬構造の変化
PR会社の視点で見ると、メディアの方やフリーランスの方の記者会見への出席や取材依頼が減り、一方、ブロガーに取材依頼をすることも増えて来ました。ここに何らかの変化を感じていました。
そしてある専業のライターの方にお話を聞くと、
「ニュース記事等の署名記事は原稿料が下落しており、収入の大半は広告記事で、広告記事を大量にこなしていかないといけないので、おもしろいネタを紹介されても、原稿料が安いのでそこの時間を割けず、取材出来ないのです」
と言われたことがあり、非常に驚いた経験があります。
ネタがつまらない、その分野に興味がないから取材出来ない。というのはわかるのですが、お金が安いから取材出来ない。その断り文句は衝撃でした。(ある方の事例ですので、皆さんに当てはまるわけではないですが)
こんなことを感じている中で、他の方達の意見や問題意識が知りたいなと感じていました。
話を会に戻すと、この会では何が正しいのか、良いのか、悪いのか、という結論を導きだすというより、
起きている事例、
既得権益の話、
実力があれば淘汰されない的な話、
編集者の仕事のあり方やセミナー講師の仕事のあり方も変わって来たような話、
メディア化する企業が増え、メディアの収入が減った事でライターの原稿料がさがっているというような話・・・
オフレコ話も多かったので、ざっくりとしか書けませんが、複数のLT(ライトニングトーク)を通じていろいろな方の考えや意見に触れる事ができました。まさに意見交換の場でした。
ネットだとついつい似たような考えの人ばかりに触れてしまいます。それは興味があったり、賛同出来たりする人をフォローしたり、検索したりと能動的に動いているせいもあると思います。こういった会で、様々な方の意見に触れることは非常に重要だと思いました。惜しまれるのは、もっと参加希望の方が会場に入れていたら良かったのかなという事だけです(あっという間に人数が埋まってしまったため、参加出来なかった人も多かった模様。こういう会は主催・運営はホントに難しいですよね)
私は最後までいたわけではないので、総括的なものがあったのかはわかりませんが、普段接点のない方の問題意識や現状に着いても触れる事ができ、貴重な体験となりました。
及川さん、貴重な会をありがとうございました!
P.S. 余談ですが、アイティメディア アットマークアイティの太田記者、フリーランスライターの五味さんと一緒にドラを持って写真撮らせてもらいました!(撮影はアイティメディア アットマークアイティの高橋記者)ありがとうございました!
(Typoを修正しました。2013.4.15 19:20)