« 2009年6月3日

2009年6月5日の投稿

2009年6月7日 »

 このところ提案書や企画書を書いたり、書かせたり、評価したりという仕事がいくつか続いている。その中で後輩からRFIとRFPの違いについて聞かれたのでそのときに自分なりに答えた事をここに整理しておく。

 RFI(Requset For Informattion)とは、入札や調達の事前準備として、ベンダーに保有製品や提供可能なサービスの概要、あるいはその組合せや実績などの情報を提供してもらうための情報提供依頼書。したがってRFIへの回答は基本的にはできあいの製品カタログやパンフレット、事例集といったもので構成され、価格も精緻な見積もりではなく標準価格や参考価格。だからRFIの場合回答期限は1~2週間と短めになる。

 そしてRFP(Requset For Proposal)は、ベンダーにシステムの提案を作成してもらうための提案依頼書。したがってRFPの場合は、提案の範囲や提案に骨子となる要件、そしてなによりも提案者が必ず守らないといけない項目は明確に定義されている。実は提案依頼書の場合、逆にベンダーから自由に提案して貰う部分は限定的になる。基本はやって欲しい事が明確にRFPに書かれていて、そのやり方とコスト等が回答としての提案書に記載されるという話になるはずだ。当然見積金額も精緻で正確なものが必要になる。

 RFPの場合、提案書の提出を要求するからには、提出された提案書の評価ポイントも予め決めておく必要がある。必須項目の充足度が足きりになるのは当然として、提示価格と提案内容の質や加点項目の評価バランスをどうするかを決めておかないと出てきた提案を評価/選択出来なくなる。

 RFIやRFPを扱うときはこういう違いをちゃんと理解しておこう。RFIなのに「正確な見積もりをください」とかRFPなのに「書いてある事は無視して自由に提案してください」というと相手に笑われてしまう。

 RFPの場合は特に自由に提案して欲しい部分や項目はあらかじめ定義しておかないと、ベンダーの勝手な思いが入って出てくる内容がバラバラになる。質も内容もバラバラの提案書を集めて金額を含めた比較表を作ってもどうしようもない。
 もしそうなりそうなときは、事前にRFIを発行しまず選択肢や仕様、要件の絞り込みを行うと良い。

===提案依頼書に関連する他の記事

===参考リンク

» 続きを読む

yoi

« 2009年6月3日

2009年6月5日の投稿

2009年6月7日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ