ひとつ前の「提案依頼のときのアプローチの違い(RFPの違い)」のエントリーの続きになる。
提案依頼のアプローチで、最も安いものを探す場合と最も良いものを探すアプローチがあると書いた。判りやすく言いかえるとすると、「やりたい事を詳細に説明してこれをどれくらいまで安くできる?」と聞く方式と「予算3000万円だけどどこまでできる?」と聞く方式があるということだ。官公庁などの場合だと全社を「一般競争入札」「企画提案募集」と言い分けているところもある。
こう書くと『いや両方をあわせて「最も良く安くできる」提案を依頼すれば良いではないか』という意見を言われる。これが総合評価方式と呼ばれる方式で、価格の安い順に価格点、提案内容の優れた順に評価点を与えてその合計で提案を選ぶというやり方だ。
提案依頼書を書いてシステム調達を行なう場合、総合評価方式が採用できるのであればそのやり方を取っても良いが実はこの総合評価方式は専門家がやっても結構難しい。評価点の単位当たりの金額換算をどう考えれば良いかが非常に難しいからだ。
具体的に例を出して見よう。グループウェアの選定をしようとしたとする。3社からうけた提案書のスケジュール管理の項目を見ると、A社のパッケージはグループカレンダーが10人まで対応しておりモバイルアクセスにも対応していた。B社はグループカレンダーは5人まででモバイルアクセス非対応、C社はグループカレンダー機能なしモバイルアクセスも非対応だったとする。そして価格はC社が最も安く、B社は+300万円、A社は+500万円だったとする。
さて、この場合はどれが最も優れた提案だと言えるのか。グループカレンダー機能の有無は300万円の価値があると判断して良いのだろうか。この場合だとC社に追加カスタマイズした場合の見積もりを頼めは金額は出てくるだろうがそれをA社やB社のものと比較することに意味はあるのかよく考えてみると良い。また別途モバイル対応するとなると200万円とか500万円のコストでは済まないだろうが、そもそもモバイルで使う人は全体の数パーセントしかいないとしたらどうなのか。そもそも最も高額なA社の提案は予算を超えていないのか、などなどだ。
分かりやすいように相違点が2つしかない例で説明したが、実際にシステム提案の場合相違点はもっと多数になりやすい。かくして総合評価方式が迷走をするケースは非常によくある。
慣れない人がやる場合や調達工程にあまり時間やコストをかけられない場合は複雑な総合評価方式は避けて金額上限を提示してその中で提案を受けて最も良いと思うものを選ぶ方式をおすすめする。なお、もうひとつの仕様書をきっちり書いて最も安いものを選ぶ方式をとっても良いが、この場合仕様書を書くノウハウや体力が捻出できるかはよく考えよう。
(続く)
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