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 昨日の「走れ!プロジェクトマネージャー!」の「どこかに、逃げ込んでいないか」というエントリーを読んで週の始めから頭をガツンとやられた気分になった。

 「決まったら教えてください」とばかりに、動かなくなるメンバーがいます。

という言葉にいろいろと思い当たるものがある。こういう“逃げ”は“思考停止”を引き起こしそうだ。私が最近思うのは多くの企業で自らを“思考停止状態”にしてそれを是としている人が増えているということ。これは顧客先にも協業先にも発注先にもそして自社にも共通的に感じる現象である。

 上には“思考停止状態”と書いたが別の言い方をするなら多数の人が“答教えて症候群”を患っているといえるのではないか。昔読んだ本で著者の都村長生さんが“答教えて症候群”と名づけていたこういった人達の現実の場面での代表的な発言はこういう感じ。

  • 「やることが明確になったら声をかけてください。言われたとおりにやりますから」
  • 「作るものをはっきりと明示してください。そのとおりに作りますから」
  • 「まずはビジョンを具体的に示してください。それにあわせて施策を考えますから」

 そしてこういう人はIT部門やシステム開発の現場だけでなく、現業部門や管理職さらにはコンサルタントや経営層にも増えてきている。この病気にかかると

・答えがどこかにあると思っていて、それを誰かが教えてくれるかどこかに書いてあると信じ込む。
・答えが見つかるまでは何もしない。あるいは答えを探すこと、答えを人に聞くことが仕事だと勘違いする。

という行動をとるようになる。私のところにも来るコンサルタントを目指す若手にもいきなり「ITコンサルになる具体的方法を教えて下さい」というような人が増えてきているし、以前にはコンサルタントという肩書きを持っているのにも関わらず「正解を先に教えて下さい。それにあわせて資料を作りますから」というような輩もいた。そういう時には、決まって「それを考えるのがお前の仕事だろ!」と突き放すように言うのであるが、最近そういう回数が増えてきて辟易している。

 再度都村長生さんのお言葉を借りれば「世の中に絶対正しい答えなどない。もしあったとしても、我々神様じゃないんだから、絶対正しい答えなど人間にわかるわけがない。そうしている間にも時間はどんどんたって無為に過ぎていくのであるから、その間に知恵を出して考えたほうが良い。」これには全くの同感である。

 如何であろうか、これを読んでいる方の周りにもこういう“答教えて症候群”の患者や“答え教えて企業”が増えてきていないだろうか。

 さて冒頭で大木さんのこのエントリーを読んでショックを受けたと書いたのは、かくいう私も時々無自覚に“逃げ”ていることに気がついたから。“逃げ”は“思考停止”と“答教えて症候群”につながる。気をつけたい。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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