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昨日の夜、テレビ東京で映画『リベリオン』を放映していました。この映画、僕は大好きなのですが、ジャンル的には「B級SFアクション映画」になります。ストーリーを楽しむのではなく、良い意味でケレン味というか、「見たいと思っているシーンをカッコよく見せてくれる」ことを楽しむ映画、と言えばよいでしょうか。

映画やテレビドラマというと、一般的に重要なのはストーリーです。しかし『リベリオン』や他のB級アクション映画、またリメイク作品や『水戸黄門』などといった定番作品が人気を保っていることを見れば、ストーリー以外の要素を満たすことでも価値のあるコンテンツを生み出せることは明らかでしょう。であれば、次のニュースのように「オープンソース」で映画を作ることも可能ではないでしょうか:

アマチュア映画:作品をオープンソース化、加工を歓迎(MSN毎日インタラクティブ)

アメリカのウェブデザイナー、ソロモン・ロスマンさんという方が公開した "Boy Who Never Slept" という短編映画について。上下2本合わせて約70分間の作品なのですが、面白いのは編集前の映像やBGM、台本を「ソース」として公開し、第三者が加工して新しい作品を作ることを認めている点。クリエイティブ・コモンズを採用し、再利用の条件として「著作者の明示」、「非商用目的」、「派生作品も同条件のクリエイティブ・コモンズとして配布」の3つを義務付けているそうです。

仮にオリジナル作品を観てしまった人でも、別の編集がされたバージョンや、微妙に(用意されている未編集映像の範囲内で)ストーリーが変更されたバージョンを楽しむことができるでしょう(いまでも「ディレクターズカット版」のように、同じ映画を別バージョンで公開・販売することは行われていますし)。そして多くの人がコメントし、実際に手を動かすことで、次第に内容はブラッシュアップされていくはずです。実際この作品がどのような反応を生むかは分かりませんが、オリジナルとはまったく異なるバージョンが「ベスト版」として定着するかもしれません。

さらにオープンソースという面では、こんなサイトも登場しています:

"Video Mashup"の可能性

Jumpcut というビデオ共有サイトなのですが、このサービスがユニークなのは他のユーザーがアップしたファイルを自由につなげて、リミックスした映像を作ること("Video Mashup")ができるという点。もちろん他人が同じ台本に基づいた映像を録画しているわけがありませんから、リミックスして作れる作品には限度があります。しかし大勢の人が関心を抱いているテーマであれば、例えばワールドカップの応援にドイツに訪れた人々の映像をマッシュアップして、「2006年ワールドカップ -- スタジアムの外での熱戦」のようなドキュメンタリーが作れるかもしれません。

いずれにしても、今後は「映像作品は脚本/映像/音楽/編集がセットになり、変更不可能な存在」という概念が崩れていくのかもしれません。例えば脚本だけを一般消費者に考えてもらい、出来上がった最高の脚本を映像化するとか(そういえば先日「エイベックスが映画のストーリーを公募する」というニュースもありました)、逆にストーリーを提示してそれに見合うシーンを共有サイトにアップしてもらうとか、様々な可能性が考えられると思います。

またビジネスモデルもオープンソースに合わせ、新しい発想が生まれてくるのではないでしょうか。例えば「ある作品の未編集映像/音楽素材集がまとめられたDVDを作成し、自分の好みに合わせた一本を作りたい人に買ってもらう」などということが可能かもしれません。また素材だけを売り、その加工と話題づくりはユーザーに任せる(優れた作品はネット上で話題となり、自分も素材を買ってチャレンジしようという人が増える)といったモデルを考えることもできるのではないかと思います。

ちなみに前述の『リベリオン』ですが、DVDには作品オリジナルの格闘技「ガン・カタ」によるアクションシーンだけを集めたバージョンが収められているのだとか。うーん、何が「価値のあるコンテンツ」なのか良く分かってらっしゃる!?

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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