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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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いま話題のぬいぐるみ「赤い子犬」ってご存知ですか?丸の内OLの間で大流行中のこのぬいぐるみ、タオル地でさわり心地が良く、癒し効果バツグン。さらに赤い色が脳を刺激し、やる気アップにも効果アリということで、オフィスで机の上に置く女性が増えているんですよ。ただいま三鷹ストアにて、2,100円(税込)にて大好評販売中です。

・・・というのはでっち上げで、本当はアメリカの子供向け教育アニメのキャラクター「クリフォード」のぬいぐるみ(クリフォード子犬時代バージョン)です。あまり上手な売り文句ではありませんが、上記のような情報を得て、このぬいぐるみに興味が湧きましたか?もし何の説明もなく、雑貨屋でふとこの子犬を見た状態だったとしたら、手にとってみましたか?また「癒し系ぬいぐるみ」としてではなく、「クリフォード」というキャラクターのぬいぐるみとして見た場合はどうでしょうか。

どこで聞いたか忘れてしまったのですが、「モノの価値の半分は情報」という考え方があります。例えばクリフォードのぬいぐるみだとしたら、原材料(糸や布など)プラス諸経費(人件費や運送コストなど)の価値が半分、「クリフォードという可愛いキャラクター」という情報の価値が半分、というわけです。モノによって比率は変わりますが(例えば骨董品は情報による価値の比率が高いでしょう)、情報というものも価値を提供する重要な要素であることには変わりありません。

「情報による価値」の面白いところは、モノが作られ、店頭に並べられた後からも付与や修正が可能なところです。例えばクリフォードのぬいぐるみは、「糸と布と綿で出来た、赤い犬型の人形」という状態は変えることができませんが、「クリフォード」という情報価値を取り払い、「癒し・やる気アップに効果的なぬいぐるみ」という情報価値を付与することができます(※実際にそのような機能を有しているかどうかの問題ではなく、あくまでも「癒し系ぬいぐるみ」という情報が与えられている、という意味です)。

以前『招客招福の法則』に、この特長を上手に生かした工夫が紹介されていました。あるお店で、店長がうっかり猫型の貯金箱を落としてしまい、耳が欠けてしまったそうです。普通は傷物として処分するところを、「私は耳をケガした猫です。おかげさまで元気になりました。誰か可愛がってくださる方を探しています」とPOPを書いて売り出したところ、すぐに売れてしまった、とのこと。耳が欠けてしまったという時点で、商品の物体としての価値はゼロになってしまっているのですが、「耳をケガした猫」という新しい位置付け(情報)の価値で売ることができたわけです。

こういったテクニックは、既に存在しているモノに情報による改善を行うという意味で、「情報リフォーム」と呼ぶことができるかもしれません。骨董品などはまさに、情報によるリフォーム作業が欠かせないでしょう(○○時代に赤い顔料を使って作られた瀬戸物は非常に珍しい云々・・・)。また「モノの価値の半分は情報」であることを考えれば、骨董品に限らず、あらゆる商品/サービスに応用できるアイデアなのではないかと思います。

特に最近は、ブログやSNSといったWEB技術/サービスの発達により、情報発信にかかるコストがぐっと安くなりました。住宅のリフォームのように、買い手=住人のニーズに即したカスタマイズを行わなくても、オリジナルな価値(「耳をケガした、飼い主を探している猫」のような)を付与できれば、その価値を認めてくれる人が現れることを待つこともできます(もちろん、ターゲットとなる消費者のニーズに即していることに越したことはありませんが)。「情報リフォーム」が活用できる分野は意外に広いのではないでしょうか。

さて前述のクリフォードのぬいぐるみですが、まだ小さい娘が「ワンワン」と呼んでとても気に入っています。従って、決して「クリフォード」という情報の価値だけしかないぬいぐるみというわけではなく、純粋にぬいぐるみとしても優れた商品であるということだけは明確にしておきたいと思います。悪しからず。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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