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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

ベンチャー企業における人材拡大採用実例

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★創業10年の振り返りシリーズ。前回の『ソフトウェア販売において大手流通とお付き合いするということ』で、結果的にはドキュメンテーションを中心とした標準化を徹底的に進めたことを記載しました。そして、それは次に『販売とサポートの仕組み』を回すための人材採用へとつながります。販売の仕組みづくりは製品開発自体よりも何倍も大変です。

■陣容の拡大
ドキュメンテーションを中心とした標準化が進むとともに、標準的な作業を進めるための人材が必要になってきます。具体的には、まずは営業と営業事務です。各社からの問い合わせ担当者を置いてある必要があり、さらには、受注をした後は、業務フローとして、デリバー、請求までを実施する必要があります。

2007年末、まずは営業事務を強化します。主婦派遣を中心に斡旋するビースタイルという会社を知人から紹介してもらいます。ちなみに主婦が扶養家族である場合、年収が103万円とか140万円とかの金額に達すると税や社会保険の控除が受けられなくなります。それ以上は収入を増やしたくないという人たちがいます。結果的には週に2-3日しか働けません。「二人ペアの交互勤務で主婦を積極活用しよう」というのがビースタイルの提案でした。2名の方々を採用しました。職場は女性が増え、一挙に明るくなります。

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★その頃の応募サイトに載せた写真

2008年頭、同じように、営業の内製化を進めることにます。よく「開発と営業は会社の両輪だ」と言います。開発も営業も、固定費の負担をする覚悟があるのなら、内製が理想的です。成功に対する心理的一体感がより大きいからです。それまでの外部に営業を依存するスタイルを変えることにしました。まずは、アルバイトとして営業を手伝ってくれていた男性を社員化、そして[en]ジャパンに応募した25名から男女1名ずつを採用、合計3名を増やします。売るには技術的内容を理解してもらう必要があります。育成には時間がかかります。

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★その頃のパーティーの様子。

2008年春、お客様問い合わせが急増することが予測され、サポートセンターの強化も急務になります。CACHATTOの製品仕様は奥深いです。サポートできる人が育つまでには時間がかかります。今度はフロムエーに依頼して、社員登用もあるアルバイトとして、男性1名を採用します。アルバイトからの入社であれば、本人の適性をしっかりと観ることができます。

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★その頃の応募サイトに載せた写真

2008年夏、次は開発陣を強化する必要があります。まずは別な会社で陣容縮小した際に、テスターとしての適性が高いという男性を1名、社内に入れます。テストは重要です。そして、インテリジェンスのDODAという媒体を通じて技術者を募集します。夏の秋葉原で開いたブース、25名ほどに面接をし、8名ほどに会社に来てもらい、二次面接をします。結果的には秋口、女性1名をプログラマーとして採用しました。近頃は女性の方が仕事に対する姿勢がしっかりしているとも思った面接でした。

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★次の募集で使った集合写真

■引越し
一挙に人数も増え、さすがに1階の28坪事務所は手狭感と酸素足りない感がひどくなります。11月にはちょうど同じビルの3階に倍のスペースがあるところに引越しすることができました。

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★引越し前のガランとした様子

以下次号・・・『社長が誰よりも早く出社して掃除をする』チョー精神論の実現

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■冷静な第三者意見を聞く

『現預金デスバレー』25日から月末までの二度としたくない恐怖体験
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■プラスマイナスゼロ、でもぎりぎりプラス
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ブログ毎日発行を禊(みそぎ)にしていないだろうか:【朝メール】にも弊害がありました
■終わりのない緊急体制でメンバーたちはパンチドランカー
■【朝メール】の弊害
■個人面談(TMC)の始まり

カスタマイズ無しでお客様要望に応えられる製品ができた背景
■もっと売れてくれていいはずなんだけどなぁ…
■二人三脚開発から全体開発への脱皮
■QIM (Quality Improvement Meeting)

ベンチマーク:旧来顧客に新顧客候補へのトラブルを説明してもらうということ
■戻ってくるお客様
■ベンチマークという言葉

ソフトウェア販売において大手流通とお付き合いするということ
■流通とお付き合いするのか否か
■ひたすら続く標準化とドキュメンテーション化し

※20100323 06:50 リンク集の間違いを一部修正しました。
※20010323 07:05 以下次号、のリンクを追加しました。

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